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「自分の左足で…」。先発奪還狙うレフティー、帝京MF藤崎巧士が直接FKで決勝点

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前半16分、帝京高MF藤崎巧士が直接FKを決めて両拳を握りしめて喜ぶ

[6.19 インターハイ東京都予選決勝 関東一高 0-1 帝京高]

 レギュラー奪取へ向けてアピールの一撃だ。帝京高のMF藤崎巧士(3年=FC東京U-15むさし出身)は前半16分、右サイドからのFKで左足を振り抜く。ボールは混戦のゴール前を抜けてファーサイドのゴールネットへ吸い込まれた。

 両拳を握りしめて喜んだ藤崎は、「いつも自分FKを蹴っていて、あの位置だと直接というよりかは味方に合わせるという感じなんですけれども、味方が触っても、そのままでもゴールに入るような、GKにとって嫌なボールを意識して蹴ったら運良く入ってくれました」。代表決定戦だった準決勝は出番がなく、少し悔しい勝利。その思いも胸に臨んだ決勝で優勝ゴールをマークした。

 藤崎は1年時のプリンスリーグ関東開幕戦で公式戦デビュー。昨年のインターハイも先発出場しているレフティーだ。本人はなかなか活躍できない悔しさも味わってきたが、この日は正確なサイドチェンジや右サイドからシュートシーンに絡む動きも。そして、ゴールも決め、「自信にも繋がりますし、もっと上にいけると思います」と新たなエネルギーを得るゲームになったようだ。

「サイドチェンジは自分の持ち味ですし、左足のキックというのはサッカーを始めた時からウリにしてきたので、これからも自分の左足で今日みたいにチームを勝たせるゴールとかサイドチェンジとかいっぱい出せれば良いと思っています」と力を込めた。

 左足は4歳から磨いてきた武器。「軽量ボールの芯を捉える練習を父親とやってきた」ことで、使用するボールが大きくなった後も正確なキックを続けることができているという。現在はマンチェスター・ユナイテッドのMFスコット・マクトミネイを参考に守備。より守備範囲を広くし、インターハイではスタメンとして優勝に貢献する意気込みだ。

「レギュラーはもちろん目指していますし、全国で必ず自分がスタメンを取って、自分がスタートから出て、今年のチームは優勝する力が本当にあると思うので、そこで自分の力で優勝させられるような選手になりたい」。日々のトレーニングでアピールを続けてチャンスを掴む。


(取材・文 吉田太郎)
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