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クーリングブレイクで流れ一変!「逆転できると信じていた」再開直後3分間で3発突き刺した昌平が日章学園に逆転勝ち

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[7.26 インターハイ3回戦 日章学園高 2-6 昌平高 鳴門・大塚スポーツパーク球技場]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」のサッカー競技は26日に3回戦を実施。鳴門・大塚スポーツパーク球技場で行われた日章学園高(宮崎)と昌平高(埼玉)の一戦は、1点ビハインドの後半23分から3分間で3ゴールを決めた昌平が6-2で逆転勝利した。

 FC東京内定のMF荒井悠汰(3年)を筆頭に各ポジションに世代別代表候補、高校選抜の経験者を揃える今年の昌平は、優勝候補一角と言って間違いない。1回戦の生駒高戦では3-0、2回戦での星稜高は3-1と実力通り、危なげない戦いを披露してきたが、「真っ向勝負しようと考えていました。昌平さん相手にもボールを握って、技術と判断で勝負するぞと話もしていました」と敵将の原啓太監督が話す日章学園に苦しんだ。

 序盤から特徴であるテクニカルなスタイルで試合の主導権を握るも、「持たれている感覚はなくて、持たせている感覚だった。守備の主導権を握っていたので、それほどストレスを感じずやっていました」と振り返るDF工藤珠凜(3年)を中心とした日章学園の守備陣に要所を封じられ、決定機まで持ち込めない。前半17分にDF武村圭悟(3年)が倒され得たPKを荒井が決めて先制したが、29分にFW石崎祥摩(3年)のゴールによって追い付かれ、前半を終えた。

 そして後半に入ってからは、パスワークからDF蔵屋明徹(3年)が思い切りの良い攻撃参加を繰り出すなど、日章学園がサイドから崩す場面が増え始めた。後半15分には日章学園のMF安藤優翔(2年)が左から中央にパス。MF石田誠二(3年)のシュートはミートし損ねたが、MF川越廉斗(1年)に当たって、ゴールネットに吸い込まれ、勝ち越しに成功した。

 ただ追い掛ける展開を強いられた昌平にとって幸いだったのは、逆転された直後にクーリングブレイクに入ったことだ。MF長準喜(2年)はこう話す。「(今大会は)クーリングブレイクと給水があるので、こうしたら良いんじゃない?と言い合い、修正できている。後半のクーリングブレイクは自分たちのサッカーはできているので、焦れずにやろう、ゴールに向かおうと話していた。絶対に逆転できると信じてやっていました」。

 再開と同時にMF佐々木小太朗(3年)とDF田中瞭生(2年)を同時投入し、選手の配置を変更。「方向性を変えたというより、選手が変わって、エネルギーを持って行ける状況だった」(藤島崇之監督)のもプラスに働いた。そして再開直後の23分にMF篠田翼(3年)が同点ゴールを奪うと、24分にはFW小田晄平(2年)が競ったこぼれ球を拾った佐々木が胸トラップから反転ボレーを決めて逆転に成功した。

「逆転されてからは、中でも焦ってしまった。2対1で自分たちの手応えを凄く感じていた中での失点だったので、もう少し自分を中心に落ち着いてプレーすべきだった」。そう工藤が反省する日章学園を尻目に調子を上げた昌平は、26分に佐々木が2点目をマーク。以降も荒井と篠田が得点を加え、6-2で試合を終えた。

 快勝が続いた1、2回戦から気を引き締める展開となり、反省材料を得たのは今後の試合に活きてくる。厳しい試合を乗り越えたことでチームに勢いが出るのは間違いない。「(日章学園戦が)勢いになったと言えるためにも、次のゲームに向けて良い準備をしなければいけない。大津さんも凄く素晴らしいチームだと思いますので、そこに対して自分たちができること、強みというか昌平らしさを出すという所を強調しながらやれれば良いかなと思います」。そう口にするのは藤島監督。選手も同様に見事な逆転劇に浮かれることなく、視線はすでに準々決勝突破に向いている。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2022

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