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八戸学院光星は王者・青森山田との0-2に満足感無し。新人戦以上に善戦も「同じ負け」「あと2点を詰めていきたい」

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八戸学院光星高のCB下田聖人主将(3年=TRIAS七戸出身)が相手の攻撃を食い止める

[6.5 インターハイ青森県予選決勝 青森山田高 2-0 八戸学院光星高 プラスタ]
 
 22大会連続でインターハイ出場中の王者相手に接戦を演じ、2点差での敗戦。後半11分に失点するまで持ちこたえ、前半3分、5分、10分に立て続けに3失点して0-4で敗れた県新人戦決勝からの成長を示した。

 だが、八戸学院光星高のCB下田聖人主将(3年=TRIAS七戸出身)は「全力尽くした結果なんですけれども、負けてしまったので悔しいです。新人戦よりは戦えていた部分もあると思うんですけれども、結果的に2失点している。同じ負けているので悔しいです」と全く満足はしていなかった。

 青森山田のストロングポイントを封じた。「青森山田のチーム自体、サイドでどんどん勝負してクロスボール。そこでセットプレーを取ったりして、そこで決めてくるのは分かっている。しっかりマークして集中して返していれば、前半みたいに危ないシーンはあったんですけれども、集中して守れれば全然守れるというのは知っていた」と下田。右SB千葉敦也(3年)と左SB村上陽斗(1年)の奮闘や中盤の献身的なプレスバックもあり、前半は思うように相手にクロスを上げさせず、与えたCKも1本だった。

 そして、守備範囲の広い下田や、CB府川竜己(3年)、連続でファインセーブを見せたGK柏崎幸二(3年)の活躍もあり、狙い通りの無失点で前半終了。後半は攻撃姿勢を強めてボールを保持する時間や、仕掛けのパス、ドリブルを増やした。
 
 畑中孝太監督は「前半はゼロで抑えていくプランで、ハーフタイムでもうちょっと相手見ながらGKからCBへつけて、(相手が)どういうふうな追い方してくるか。(対応によって)変えながら中盤つけて、慌てないでちょっとやってみるよと話をして、何本かチャンスに持っていけたかなと思います」。中盤からサイドへ展開したり、背後を狙う攻撃で会場を沸かせるシーンも作った。

 だが、後半11分にセットプレーのこぼれ球から失点。そして、試合終了間際にも警戒していたサイド攻撃からゴールを奪われた。好守連発の下田も、「青森山田というチームは一瞬の隙だったり、弱いところを徹底的について来るチームなのでそこを突かれた。2失点目は自分のマーク。自分のせいで……悔しいです」と悔しさを滲ませていた。

 青森山田は今季、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEASTで首位。インターハイでも有力な優勝候補だ。その相手に特に守備面で善戦。だが、畑中監督は青森山田との差がまだまだあることを説明する。

「1個1個の止めて・蹴るもそうですし、頭の回転もそうだし、その中にハイプレスの激しさがあるから、トップレベルが感じられたかなと思います」。それでも、毎週日曜日に系列の八戸学院大相手に戦っていたこともあり、速さ、強度の部分でも対抗するなど手応えも。指揮官も、主将も、秋の戦いを見据えていた。

 畑中監督は「もちろん満足している者もいませんし、ハーフタイムにももっとこうするんだ、ああするんだという声が飛び交っていたので、これから夏の遠征で色々全国回るんですけれども、選手権をしっかり見据えてもっと戦えるチームというか、もっと世の中を驚かせるチームを作りたいなと思います」と力を込めた。

 また、下田は「相手の選手全員、全国トップレベル。プレミアリーグで今首位走っていますし、そういう選手相手でもチーム一丸となって声をかけて戦えていれば、チャレンジできる部分、通用する部分も少しあったんじゃないかなと思います。新人戦よりは着実に自分たちも成長していると思うんですけれども、相手も成長していると思うので、これからも全力でやって、あと2点を詰めていきたいと思っています」と誓った。ここからが重要。選手権までに攻守ともにレベルアップし、全国を驚かす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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