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[MOM4328]関西大一FW今西佑(3年)_「オマエらのお陰やぞ!!」。誰よりも走った主将、声と全力プレーで全国導く

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関西大一高FW今西佑主将(3年=ガンバ大阪ジュニアユース出身)は声とプレーでチームを牽引

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.10 インターハイ大阪府予選準決勝 近大附高 1-3 関西大一高 J-GREEN堺S1]

 気持ちで示すリーダーだ。関西大一高は、格上のプリンスリーグ関西勢3チームを連破してインターハイ切符獲得。代表決定戦となったこの日、FW今西佑主将(3年=ガンバ大阪ジュニアユース出身)は声とプレーでチームを変えた。

 前半は0-1で終了。緒方卓也監督は「ハーフタイム、(今西が)めっちゃ切れて帰ってきましたからね。『オマエら全員、なぎ倒すぞ』くらいの感じで『守備甘い!』って」と振り返る。興奮しすぎているような状態。それでも、指揮官が「仲良し小好しのところをアイツが引き締めてくれる」と評するリーダーの言葉は、チームを奮い立たせたようだ。

「『この試合で人生変わる』と思っていて、自分たちが持っている力を出し切って戦おうと話しました」と今西。その言葉を発した自身は誰よりも走り、関大一のモットー「月まで走れ」を表現していた。

「ホンマに自分ができることと言ったら前から行くこととか、前で収めたりとか、前で拾って攻撃の起点を作るというのが自分の特長というかそれが自分の持ち味なので、それをしたらみんなも気持ちが乗ってくると思っていました。前から行ったらみんなも付いて来る。体力もあるのでガンガンいこうと。やり切れました」

 後半12分の同点ゴールは今西がセカンドボールを回収したことが起点に。後半18分の勝ち越しゴールも今西のポストプレーが起点となった。3点目のシーンも今西はDFを引き付ける動きで味方にスペースを提供。「アイツはプレーでやるタイプです」(CB中谷優冴、3年)という主将は、攻守で身体を張り、得点にも絡んだ。

 U-17関西トレセンメンバーでもある注目ストライカーは悔しい無得点。それでも、緒方監督も「明日(決勝)のことなんか考えていなかったと思う」と驚くような全力プレーでチームを勝利と全国出場へ導いた。

 格上の連戦も「越えれない壁ではないと思っているので、同じ高校年代なので、同じ年に負ける訳にはいかないという強い気持ちを持っているし、チャレンジャー精神ですけれども変にリスペクトせずに相手をブチかまそうと思ってやっていました」。指揮官からマン・オブ・ザ・マッチに推薦された主将は試合後、大声で「オマエらのお陰やぞ!!」とベンチ、スタンドを含めて一緒に戦った仲間たちに感謝していた。

 この日は尊敬する先輩FW百田真登(関西大4年)の前で奮闘。その百田がエースストライカーだった19年以来のインターハイに臨む。当時は初戦敗退。「自分がもっと点を決めて勝たせられたら良い。自分が勝利に導けるストライカーにもっとなりたいと思っています。(4年前の)先輩たちが越えられなかった壁を越えたい」という今西が、全国大会でも声とプレーでチームを引っ張り、ゴールを決める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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