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[MOM4327]金光大阪FW太田陸斗(3年)_注目10番が代表決定戦で2点演出。全国でのアピールチャンスを「モノに」

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金光大阪高の10番FW太田陸斗(3年=KONKO FC出身)は強敵・履正社高相手に実力を発揮。2得点を演出した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.10 インターハイ大阪府予選準決勝 金光大阪高 3-1 履正社高 J-GREEN堺S1]

 全国大会出場をかけた大一番で2得点を演習した。金光大阪高の10番FW太田陸斗(3年=KONKO FC出身)は、「ゴールに絡めるプレーが僕の持ち味なので、ゴールに絡めるプレーをしようと思っていました」という大阪予選準決勝で目指していた通りのプレー。チームを14年大会以来のインターハイ出場へ導いた。

 分析で相手DFのウィークポイントを確認。背後を狙う動きでチャンスに絡んでいた。そして前半30分には、左中間でボールをコントロール。すると間髪入れずにスルーパスを通す。「中学の時からそんな意識はしていなけれど見えているところがあるので、見えたらどんどん前に供給しようと。(このシーンでは)あっこしか見えていなかったというか、そこが見えていました」。これで抜け出したMF北村涼太朗(3年)がGKをかわし、先制点を叩き出した。

 太田は前半35+2分にも得点に絡む。「セカンドボールを拾うというのはずっと言われていたので」と右サイドでセカンドボールを回収し、前方のスペースへスルーパスを通す。MF岡田涼馬(3年)がクロスを上げ、FW上田琥太郎(3年)のヘディング弾に繋がった。

 得点に絡んだプレー以外の貢献度も大きかった。前線でボールを収め、ドリブルで相手をいなすなど攻撃の起点に。「(金光大阪は)繋いで裏が空いていたら裏蹴って直接ゴールを目指すようなプレースタイルなので。そういうところは僕ら(前線の2人)がなんとかしなければいけない。2人来ても普段の練習からもそういう感じでドリブルとかやっているので、あまり焦ることはないと思います」。プレミアリーグ勢の履正社高にボールを保持される時間帯の多い中、太田は個でもボールを収め、チームを前進させていた。

 シャドー気味の位置でプレーする太田と最前線の上田琥の2人の存在について、主将のCB長瀬怜旺(3年)は「だいぶ楽になります。10番の太田が結構足元とパスセンスが高い」。セカンドボールの攻防でも力を発揮するMFは試合終盤、ボランチに入ってチームを安定。岩松哲也監督も太田の貢献度の高さを口にしていた。

 全国で自分のプレーを披露するチャンスを勝ち取った。「(全国でプレーすることは、)この試合前からずっと意識していましたし、そのチャンスが来たのでモノにしようと思っています。ゴールに絡むプレーときょう点取れなかったんですけれども、チャンスはあったのでそれをしっかりと決め切って、チームを勝たせられる選手というのを見て欲しいです」。先輩MF守田英正(現スポルティング)のように「世界で戦える選手になりたい」と語る10番は、全国で自分の力を出し切る考えだ。

 まだ集中力を欠いてしまうところがあるというが、全国でも戦える実力の持ち主。翌11日の決勝(対関西大一高)では、個人技で先制点を叩き出し、ロングクロスで決勝点を演出した。全国大会でもチームを勝たせて自身の価値を高める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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