beacon

特長の体力、高速ドリブルに加え守備も成長。初V狙う米子北の2年生SB樋渡蓮音、インハイを飛躍の大会に

このエントリーをはてなブックマークに追加

米子北高(鳥取)DF樋渡蓮音(2年=FC.フェルボール愛知出身)はインターハイで飛躍を遂げるか

 ブレイクの可能性を秘めた2年生SBだ。米子北高(鳥取)DF樋渡蓮音(2年=FC.フェルボール愛知出身)は今年のプレミアリーグWESTで堂々のプレーを見せている期待のプレーヤー。中村真吾監督も認めるように、身体能力が非常に高く、対人守備やスピードに乗ったドリブルで存在感を放つ。

 元々SHだったが、今年に入ってSBへコンバート。「最初に比べて、自分の中でもSBのやり方とかも分かってきて徐々に慣れてきたので、パフォーマンスも自分では上がってきていると思っています」。右SBにはU-17日本高校選抜候補のDF梶磨佐志(3年)がいることもあって、主に利き足と逆側である左サイドのSBとして起用されてきた。

 それでも、プレミアリーグWESTでは、現在首位の静岡学園高(静岡)に唯一黒星をつけるゴール。東福岡高(福岡)戦では相手のサイド攻撃を封じ込んで見せた。守備で闇雲に突っ込んでしまっていたという磐田U-18との開幕戦に比べると、「全然できるようになって、相手の動きが見れるようになった」。現在は成長した対応力と運動能力の高さも活かしてサイドに蓋。そして、自信を持つ高速ドリブルで一気に相手陣内深くまで切れ込んでいく。

 体力もライバルたちとの差を生み出す武器だ。米子北の選手たちが求められる運動量は、他チーム以上に多い。だが、樋渡は「走るとかは見て欲しいです。(90分間走り切って)試合が終わった時も『まだ走れたかな』と思う時があるので運動量は自信があります」というほど。インターハイでも人一倍走って、勝利に貢献する意気込みだ。

「インターハイで良いプレーをして、優秀選手になれるように頑張ります。自分がみんなを勝たせられるプレーをして、目立てたらなと思います」。野心はある。だが、過信はしていない。

「自分ではまだ全然だと思うので。左SBなのでもっと左足の精度を上げないといけないと思いますし、縦への仕掛けだったり相手を置き去りにできるような動き出しをもっと上手くしていかないといけないと思っています」。年代別日本代表への距離も少しずつ近づいてきている印象だが、「まだ今の実力だったらあまり通用しないところもあると思うので、もっと自分の武器を磨いて、代表に入った時には自信を持ってプレーできるようにしたい」と力を込めた。

 準優勝した2年前のインターハイでフェルボール愛知出身のMF木村愛斗(現京都橘大)、FW牧野零央(現中部大)が活躍。彼らの存在やチームのベースにある走ることが「自分に合っている」と感じて愛知県から鳥取県の強豪校へ進学した。将来の目標は2年前の世代のエースであり、現在岡山でプレーするMF佐野航大のように、プロになること。初優勝を目指すインターハイで個人としても結果を残し、評価を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

TOP