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「後ろに迷惑をかけた」。1、2回戦で決勝点の10番FW中山葵は課題を改善して国見を勝たせる

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国見高(長崎)FW中山葵(3年=FC桑名出身)が相手の前に潜り込む

[8.3 インハイ準決勝 桐光学園高 0-0(PK5-4)国見高 花咲スポーツ公園陸上競技場]

 10番が「マークを超える」「決める」FWになることを誓った。国見高(長崎)FW中山葵(3年=FC桑名出身)は、16強入りした選手権で先発1試合を含む全3試合に出場。新チームでは10番を背負い、攻撃の中心を務める。

 今回のインターハイは1、2回戦でいずれも後半に決勝点。躍進に貢献したが、桐光学園高(神奈川1)との準決勝は0-0からのPK戦で敗れた。チームは矢板中央高(栃木)との準々決勝、また準決勝と相手の堅い守りに苦戦。エースは、「後ろが毎試合ゼロで抑えてくれていたんですけれども、自分が得点という形で表現できていないので、後ろに迷惑をかけたと思います」と悔しがった。

 この日は準々決勝よりも、相手の間を取ってボールを繋ぐ回数が増加。中山にボールが入る回数も増えた。「自分が決めて何とかしてやるという気持ちが強いので、それがプレーに出ているかなと思います」という中山は単独でも果敢にチャレンジ。相手DFの前に潜り込んで前進しようとしていた。

 繰り返し仕掛けてFKを獲得したり、突破したりするシーンもあったが、チームはシュート4本で自身はゼロ。「(勝ち上がるにつれて)マークつかれてきてから、得点という形で全然上手く終われていないので、それが自分の課題だと思います」と首を振った。
 
 国見は攻撃の要の一人であるFW西山蒔人(2年)が負傷し、3回戦以降は欠場。さらに準決勝では開始直後にFW坂東匡(3年)が負傷交代するアクシデントに見舞われるなど中山にかかる負担も大きかった。だが、その中でもチームを勝たせる存在にならなければならない。 

「プレッシャーとかは特に感じている訳ではないけれど、出ている以上、FWなんで結果で示していかないと上には行けないかなと思います。自分はまず守備から良い形で入って、自分にボールが入った時にはしっかりと得点という形で終わりたいし、シュートまで持っていく回数が少ないので増やしていきたい」。佐賀県出身で三重県育ち。父から国見の強さや小嶺忠敏元監督の存在を聞かされていたという。そして、同郷の前10番MF北村一真(現立命館大)の誘いを受けて長崎へ。その10番が悔しさも糧に成長し、伝統校を選手権日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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