[早稲田スポーツ ゲキサカ版]
[10.14 関東大学1部L第16節 早稲田大1-0慶應義塾大 麻溝]

　関東大学リーグ戦(リーグ戦)第16節。リーグ戦優勝を目指す早稲田大は前節、最下位の東京学芸大相手にまさかの敗戦を喫した。重い雰囲気を払拭するためにも、きょうは勝利が必須だった。迎えた相手は、永遠のライバルである慶應義塾大。今季最後の早慶戦という意味でも、絶対に負けるわけにはいかなかった早大は、開始4分に幸先良く先制することに成功。前半は慶大にシュートすら打たせない安定した戦いをみせた。後半、早大が決定機を決めきれずにいると、慶大にボールを持たれる時間が増えたが、最後は慶大の猛攻を凌ぎ1-0で早慶戦を制した。

　早大は開始直後からボールを保持することに成功すると、迎えた4分にペナルティーエリア内に侵入したFW榎本大希(3年=横浜FMユース)の折り返しをMF{{近藤洋史(2年=名古屋U18)が右足でゴールに流し込み早々と先制した。先制してもなお、早大は慶大ゴールに迫る。10分にはFW富山貴光(4年=矢板中央高)がゴール前に抜け出した相手GKとの1対1の場面で、巧みにボールを浮かしてGKとの対決を制すも、無人のゴールに頭で押し込むことができず追加点を得るまでには至らなかった。次第に慶大にボールを保持される時間も多くなったが、DF畑尾大翔主将(4年=F東京U-18)を中心としたDF陣の安定した守備が光り、前半は慶大にシュートすら許さなかった。

　後半は一転して両チームが攻めあうオープンな展開となる。後半開始直後には、慶大がゴール正面で得たFKでこの試合初めてのシュートを放ち、徐々に早大ゴールへと迫った。一方追加点を狙う早大は、後半24分に榎本が抜け出してシュートを放つなど何度か決定機を作るも、追加点を奪うことはできなかった。それでも後半もDF陣が奮闘し、「1点を取って守り切るという一番強い時の勝ち方」(MF島田譲、4年=鹿島ユース)で、慶大を無失点に抑え、今季最後の早慶戦で1-0の完封勝利を収めた。

　きょうの勝利で、早大は今季の早慶戦の戦績を3戦3勝とした(リーグ戦第9節2-1、第63回早慶定期戦2-0)。しかし今季のリーグ戦第9節で勝利する前まで、早大は慶大に9戦勝利なしという屈辱的な結果だった。それだけに「今季2勝していましたが、これまでの3年間を考えるとまだまだ借りは返せていない」と畑尾主将をはじめとした4年生は最後の早慶戦に対して熱い思いを持っていた。その思いは「4年生がすごく強い思いを持っていたので、自分たち後輩としては4年生のためにという気持ちで戦えた」(近藤洋)と後輩たちにも伝わっていた。現在早大はリーグ戦3位。「優勝しか狙っていない」(近藤洋)という早大は、きょうの早慶戦での勝利によって、前節の敗戦を払拭することができただろう。悲願の優勝を達成するためには、前節のような勝ち点の取りこぼしは許されない。早大イレブンはこの早慶戦勝利を機に、チーム一丸となって一気にリーグ戦優勝にむけて突き進んでいく。

[写真]開始早々に得点を決め喜ぶ近藤洋

(取材・文　早稲田スポーツ　佐藤裕樹)
(写真 同 尹眩晶、松坂和之進)