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城西国際大・小山監督、選手の了徳寺大戦後のコメント

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[11.11 千葉大学2部L第10節 城西国際大11-0了徳寺大 城西国際大G]

 城西国際大は11日、「PRINCE TAKAMADO MEMORIAL SPORTS PARK(高円宮殿下記念スポーツパーク)」(城西国際大G)で開催された平成24年度千葉県大学サッカーリーグ秋期2部リーグ第10節で了徳寺大に11-0で快勝し、首位へ浮上した。1試合消化試合の少ない城西国際大だが、次節の千葉商科大戦に勝てば、来季の1部昇格が決まる。

小山哲司監督
―11-0。監督は今回のリーグ戦は勝つことだけ、ということをおっしゃってきましたが
「今回のリーグに関してはそれだけですよ。1部に上がりたいということを言ってきて、きょうも結果的にこれだけ取れた、としか言いようがない」

―ただ、1部から降格してきたチーム含めてどのチームに対しても大量得点することができている
「昨年から学年は変わっているし、千葉県の2部リーグの体質的に去年1部にいたから力をキープしているかというと、決してそういうことはない。相手は1、2年生が主力になっているし、積み上げがないと思うんだよね。どう評価していいかわからない。評価を気にするよりも自分たちのサッカーをしっかりとやって、来年そこ(千葉1部)で結果を残せるようなチーム作りを今から目指していきたいと思います」

―監督のスタイルのひとつかと思うが、チーム作りの中でサイド攻撃を徹底してきた
「自分のスタイルというよりも、どこから攻めるのと言ったら、どんどんと前へ蹴るとか、中盤から中を崩してとか。今でも中を崩せるけれど、うちの場合は、デキる選手がサイドに多くいる。確かにチームを作るときにサイドの速い選手を見て来ました。サイドから攻めたいというのはあるけれど、自分がスカウトしてきた選手のほかにもアウトサイドで面白い選手がいたり、3年生の湯本(直矢)がいたり、いる選手の能力もあるからサイド攻撃をやれる部分がある」

―どうしてもこのリーグでは個でいけてしまう部分があるので難しいかと思うが
「完全に引かれるし、しょうがないよね。でも能力を活かしながらやっていると思う」

―最後個人のところで打開できるのは大きい
「所詮サッカーってやるところは1対1になるからね。普段はコンビネーションとか凄く練習するんだけど、対人の1対1や2対2というところも春先は凄くやりました。最後のところは1対1を避けて通れない。それが弱くてコンビネーションという訳にはいかない。1対1の強さとかが根本にないと、コンビネーションもグループ戦術もあったもんじゃないと自分は思っている」

―このチームに期待できる個が何人もいるというのは来年以降への武器にもなる
「よく、“ナイフを持っている”というけれどね。スパっと行くものを持っている選手は何人もいる。先のことは分からない。来年まだ2年生だからね」

―勝つことと同時に選手育成も上手くいっているように見えます
「伸ばすというよりも伸びるのをサポートするだけだね。自分が伸ばしてやるなんて思っていないし、できないから。上手く育つ手伝いをしたいなと思っているだけですよ」

―実績はなくても、彼らは貪欲に練習して成長している
「(全国的には)知らないような選手ばかりだからね。自分が頑張らせているわけではなくて、彼らはサッカーが好きなんだよ。試合の時は自分もうるさく言うけれど、練習の時は自分たちからやっている。『切磋琢磨』という言葉をよく使うんだけど、互いに競い合って自分だけじゃなくて周りも良くなれば、それだけチームも良くなる。今、そういう感じにはなっている。また、ある程度試合に出た時にどんなプレーができたかが、彼らなりに次に使われるかどうかの一つのバロメーターになっていると思う」

―きょうも途中から出てきた選手がアピールして出ることが簡単じゃないことを印象づけていました
「GKなんかいい選手が何人もいる。勝っている間は代えたくないですけど、五分五分。力は変わらない。何かひとつのきっかけでグーンと伸びる力を持っていると思う。試合に出ることが難しいというよりも、試合に出たらそれなりにやらないと、みんな仲間も見ているからね」

―Bチームにもオレが、オレがと思っている選手がいっぱいいる
「いるいる。上で使ってもやれる選手が何人かいる。あとは次の1年生。本当に面白い選手たち入ってくる。かなりレベルが高い。みんな練習参加しているから、今いる選手たちもポジションを守ることが簡単ではないと理解していると思う。ただ、今いる彼らも凄く伸びているから楽しみだね」

―来年を見据えたプランも固まってきている
「春まではね。春は広島で長いキャンプをしたいと思っている。暖かいのと、大学やJも周りにチームが多い。バスで行けば九州にも行けるし、いろいろなチームと試合できるのではと思っている」

●FW香川滉太(1年=瀬戸内高)
―得点シーンを振り返って
「1点目については、前節なかなか1点目が入らなくて、流れがつくれなかった分、1点目が大事になると思っていた。なるべく早く1点目を取って流れをつくりたいなと狙っていたんですけど、(桑野)淳史がいいボールを上げてくれて押しこむだけでした」

―2点目は
「相手がラインを上げてきたので、最初の2トップ、自分と(井之元)和之で片方が落ちたら、片方が裏へ抜けることを繰り返しやっていた。そうしたら上手く抜けることができたのであとはGKと1対1だった」

―3点目も、とすぐに頭の中に入っていたと思うが
「前半のうちに3点目を取りたかったんですけど、自分のことだけではなくてチームのために確実に点を稼ぎたかった」

―上手く背後取れば確実に点が取れる試合だったが、狙っていた?
「そこはミーティングでサイドからと言っていたんですけど、意外と相手のラインが高かった。裏にもついてこなかったので、簡単に裏を取って、抜けて、抜けてで点の取れる試合だった」

―事実上、昇格が決まった試合になった
「2部リーグでやってきて、相手も格下ばかりで点差がつく試合ばかりだった。来年は1部ということで明海とか中院(中央学院)とかいるのでなかなか厳しい戦いになると思うんですけど、そこで勝たないと関東2部には上がれない。まずは今年力つけてきたのでそれを来年出せるように頑張っていきたい」

―個人の成長も目立つ
「それぞれ各個人が目標を持っていると思うんですけど、自分は点取るだけではなくて身体が大きいのでヘディングとか、身体をもっと大きくしてキープできるようにチームの流れをつくれるようなFWになりたいと思います」

―最後に伝えておきたいことがあれば
「自分たちが来て1年目で昇格が決まって、次も1年で関東2部に行けるようにこれからもチームとして頑張っていきたいです」


●FW米澤康太(1年=都城工高)
―まずは試合を振り返って
「自分としてはリーグ戦で一番良かったと思います」

―どういうところが
「前からディフェンスもできたし、攻撃参加もしっかりできたし、自分でゴールも決められたし良かったと思います。チーム的には最初ミスがあったんですけど、いい時間帯に点が取れたし、そこから流れに乗っていけたので良かったと思います」

―自分の得点シーンを振り返ると
「(湯本)直矢さんから決めるだけというボールが来たので、自分はゴールに流し込むだけだった。直矢さんのお蔭だと思います」

―事実上昇格が決まった
「今年の目標は1部昇格だったのでそれを達成できたのは良かったと思うんですけど、まだ内容とかにこだわらないといけない。来週に向けて少しずつ調整していきたいと思います」

―修正する部分はどのようなところ
「前からのディフェンスとか、あとボールの失い方が悪かったり、ワンタッチプレーが少なくて相手に詰められてからパスをしていたりした。簡単に取られたりしたので、もっと簡単に相手の間、間を抜くようにもっと工夫した方がいいと思います」

―攻撃陣は誰が仕掛けてもゴールまでいける怖さがあると思うが
「個人個人の能力が高いので、そこでワンタッチプレーも活きてくると思う。チームが一丸になれば、まだまだ良いプレーができると思う。どんどんスキルを上げていければと思います」

―一人ひとりのスキルのレベルアップを感じるが
「練習で一人ひとりが集中しているから、どんどんレベルアップしていくと思うし、切磋琢磨して、一人ひとりがレベルアップしていけばチーム全体も良くなる」

―強豪チーム出身者ばかりではないが、関東レベルの選手層になってきている
「まだまだだと思います。同じ学年だけ見たらいい選手も入っていると思うし、いいところまで行けると思うんですけど、まだまだ一人ひとりが弱かったりするので練習でレベルアップしていかなければいけない」

―今後、来年へ向けては
「来年は春に負けた明海とか中院とかともやるので、まずはそこを倒して関東2部に昇格できるように頑張りたいと思います」

●FW寺田大輝(1年=浜松開誠館高)
「久しぶりだったし、個人としては点が欲しかったので、しっかり点を取れた部分は良かったと思います」

―打点の高いヘディングシュートを見せた
「ボールが良かったので、自分は合わせるだけだったんですけど、結果という部分で取れたことは次につなげられたと思います」

―結果を出さないと、次出ることが難しいチームになってきている
「その週で調子いい選手が出るという監督の考えがある。一日一日で自分をしっかりアピールしていかないと出続けることは難しい」

―レベルの高いレギュラー争いとなっている
「出れないから落ち込むとかじゃなくて、レベルの高い中でお互いが成長していくところがここのいいところ。前向きに捉えて日々成長していければいい」

―自分としてはどの部分で手応えがある?
「基本の技術とかボールを回すこととか、止める、蹴るに関しては結構叩きこまれたという印象です」

―実績だけ見ると、寺田選手はトップクラスだと思うけれど、出るのは簡単ではない
「みんなそれぞれ個性というか武器があるし、自分が持っていないものを他の選手が持っていたりする。ちょっと調子が落ちたりすると、他の選手が出てくる環境にある。常に高いパフォーマンスを見せていかないと難しいと思います」

―その競争をどう勝ち抜きたい
「コンビネーションシュートというのは日々練習の中からやっている。そういうところで一つひとつしっかり決めるとか、できていけば監督の信頼とか得ることができると思う。トレーニングが全てだと思っているので、トレーニングでやった中で試合で結果を出せれば一番だと思う」

―今、チームの強さに手応えがある?
「個々がしっかりしているので、局面でこのレベルだと負けることが少ない。得点力という部分では一部から落ちてきたチームからもしっかりと点を取ることができている。来年のシーズンにつなげていけるかなと思います」

―今後、来年へ向けて
「まずは自分のポジションをしっかりと勝ち取ることが前提で、しっかりと後2つ勝って、全勝で終わらせることが次につながる。来シーズンまたいい選手が入ってくるので、最初の練習から気合入れてやりたい」

●MF桑野淳史(福岡U-18)
―まずはきょうの試合を振り返って
「個人的には前節、前々節と点が取れていなかったので、きょうは点を取りに、前目でプレーすることを意識しました」

―自分たちのサッカーについては
「自分としてはボールを動かしながら、タイミングを見てワンタッチとか狙っていたんですけど、思うようにボールを動かせたかなと思います。サイドで起点もつくることができた」

―チームが良くなっていいサッカーができているのか
「相手のレベルもあると思うんですけど、最初はみんなやりたいことが別々で、それぞれがやりたいことをやるような感じだった。それが今はチームプレーで人の動きを見ながら自分の動きをしたり、連動性が出てきた」

―このチームは個性を持っている選手が多いが活かし方については
「ドリブルが好きな選手が多いので、できるだけ前で預けて自分は中に入っていこうと考えてプレーしています」

―事実上1部昇格が決まったが
「まだ通過点なので、次がある。目先の目標ではあったけれど、まだまだ満足できない。来年千葉県1部で自分たちのサッカーが出来ればと思います」

―モチベーションを保つのが難しい1年だった
「公式戦というよりはJとか強いチームとの練習試合などで、自分たちは成長できたかなと思う」

―集まってきたメンツを見るとこの結果は想定内?
「これくらいはできると思っていた。もっと上でやりたいですね」

―今後と来年へ向けて
「自分は前にどんどん出ていって、前で仕事ができる選手になりたい。個人的にも点を多く取ってチームに貢献したいと思います。周りを使いながら自分はそこで活きていきたい」

●MF橋本渉(1年=広島皆実高)
―試合を振り返って
「点が入るのが早かったから案外楽に進められた。先制点を取るのが早いとその後のプレーもしやすい」

―前の試合の反省点は活かせた?
「監督からはいいゲームと言われて。でも個人的にもチーム的にも守備のところが本当に細かいところですけど良くなかった。カウンターに対する備えとか監督は言っていたので、そういうところを意識していたんですけど、きょうの相手もリスタートが速かったりして、自分たちも切り替えが遅いところがあった。前回の試合の課題を直せたかというとあまりできていなかったけれど、試合の運び方は良かったと思います」

―これで昇格が決定的になったが
「1位で通過すれば来年の一発目が明海とかだったと思う。夏にコテンパンにやられているので、モチベーションも上がりますし、やっと1部に上がれるという感じがする」

―大差がつく試合が多かった
「下手したら自信ではなくて過信になってしまう。本当に強いチームとやった時に自分たちのサッカーができないということも予想できる。でも今、監督が試合直後にダメ出ししてくれて自分らはまだまだと反省することができる。天狗にならずにサッカーすることができている」

―今こだわっているのは来年、再来年
「今、練習では『周り見ろ』しか言われない。『周り見ろ』と切り替えとほとんど練習も2タッチ以下。対人でも2タッチ以下だから周り見ることをものすごく要求されていて、それがまだチーム全体でできていない。監督から言われていることを早く克服することが来年、再来年につながる。ここで足踏みするわけにはいかない。だから練習からみんな意識していかないといけない」

―ここまでは思い描いているとおりにきている
「結果だけ見ると来ていると思いますけど。でも夏に比べたらチームが全然違うというか、夏は全然バラバラで、今はチームとしてやろうとしているんですけど、段々各ポジションで求められていることを克服していけているから、チームとしても良くなって来ていると思う。最短で関東2部まで上がりたいですね」

―普段のリーグ戦では個々でいけてしまう部分がある。難しさを感じる?
「リーグ戦の合間でJと練習試合をやったので、あまりにも違いすぎて、ボコボコにされてしまった。守備はまだまだですけど、攻撃は結構やれたところもありました」

―見に来る人にどういうところを注目してもらいたい?
「人それぞれ違うと思うんですけど、ボクは人を感動させるサッカーというか。見ていて応援される、応援してもらえるチームになりたい。プレーだけでなくて立ち振る舞いとかそういうのもやっていかないといけないと思います」

(取材・文 吉田太郎)

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