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[MOM862]プレーオフ選抜DF岡田大和(福岡大3年)_「僕はエリートじゃない」。地道な成長誓う大型左SBが圧倒的な動き

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プレーオフ選抜の左SB岡田大和(福岡大3年=米子北高/札幌内定)は凄みのある動き

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.2 デンチャレグループB第3節 日本高校選抜 3-5プレーオフ選抜 ひたちなか市総合運動公園]

「後半3失点してしまって、自分もミスで失点に絡んでしまったので僕は喜ぶよりも悔しいとか反省しなければいけない」

 撃ち合いを制したが、取材エリアで笑顔は無し。プレーオフ選抜の左SB岡田大和(福岡大3年=米子北高/札幌内定)は全く満足していなかった。それでも、前半から日本高校選抜を圧倒するような試合内容。中でも違いを示していたのが、180cm、80kgの大型レフティーだった。

 ボールを持つと一際凄みのある動き。「縦の推進力や左足だったり対人の部分だったり自分の強みを見て欲しいです」という岡田は個の力でサイドを攻略し、左足のプレースキックで2点に絡んだ。逆転での決勝進出のため、大量得点を目指したチームを背中で引っ張った。

「自分はプロ決まっている身として違いを出さないといけないと毎試合思っていますし、今日は相手高校生でしたけれども圧倒するという意味では前半は良いパフォーマンスができたと思います」

 J1クラブ内定者として、見せつけた実力差。だが、チームは前半に3点目を奪うことができず、後半も日本高校選抜の粘り強い守備を破るまで時間を要してしまう。撃ち合いとなった終盤、岡田は一発でインターセプトしようとしたところで奪い切れず、入れ替わってしまって失点。その点を猛省していた。

 岡田は大学卒業まで1年半近く残した昨年11月に札幌と仮契約。「あの段階で一番熱心に声を掛けてくれたクラブですし、自分も大学に留まるよりもプロを経験するか、しないかでは結構大きな差があると思ったので決めました」と説明する。移動は負担かもしれないが、福岡から札幌までは直行便がある。何より少しでも成長したいという思いが決断を後押しした。

 ペトロヴィッチ監督やコーチ陣からは正確性や、「もっと強みを出せる」と求められているという。「キャンプ行っても思ったんですけれども、技術の面では凄く差を感じましたし、このままじゃダメだなという危機感はとても感じました。止める・蹴るだったりスピード感のところは全然違います」。大きな可能性を秘めたレフティーだが、慌てず、地道に成長することを強調する。
 
 岡田は米子北高(鳥取)時代にFWから左SBへコンバート。山陰の強豪校で鍛えられ、地方リーグの福岡大へ進み、地道に成長を続けてきた。「僕はエリートじゃない。地道にやってきたんで、これからも地道にやっていけば自ずと未来は開いていくのかなと思います。福大を選んだからこういう選抜にも選んでもらっていますし、Jクラブにも早くから参加させてもらっていたので、福大へ行った選択というのは間違いじゃなかったなと感じています」。今年の目標はプロデビューと全国大会での勝利。デンチャレで見せている推進力や左足を上のステージや全国大会でも発揮し、勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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