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[MOM906]京都産業大GK山本透衣(4年)_井の中の蛙が知った“本気”、関西1部で首位守る守護神へ

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京都産業大GK山本透衣(4年)

[9.30 第101回 関西学生サッカーリーグ後期第4節 京都産業大2-0立命館大 ヤンマースタジアム長居]

 首位に立ってリーグ再開を迎えた京都産業大だが、リスタートの試合はなかなか流れをつかめなかった。立ち上がりは単調な攻撃が続き、立命館大に主導権を握られた。競り合いのこぼれ球を拾ったFW大谷優斗(4年=G大阪ユース)にフリーでシュートを打たれたり、DFラインを抜け出したMF中野瑠馬(3年=京都U-18/京都内定)に決定機を作られるが、いずれもGK山本透衣(4年=札幌U-18)がビッグセーブで防ぎきった。守備の好プレーから徐々に流れを引き寄せると、後半は完全に試合を支配。追いすがる立命大の攻撃を防ぎきり、前期11節以来のクリーンシートで勝利を手にした。

 後期はなかなか無失点勝利を達成できていなかっただけに、山本も「決められても味方が取ってくれてるから勝てている。助けられてる部分が多いと感じてたんで、今日みたいに攻撃陣がうまく行ってないしんどい時間帯に、僕が無失点で抑えることでチームのリズムを作れて、少しでも救えたなら良かった」と手ごたえを口にする。

 北海道から遠く離れた京都へ進学し、昨シーズンからトップチームのゴールを守る山本。大学に来て一番成長したのは、「サッカーに打ち込む真剣度」だと挙げる。「井の中の蛙っていうか狭い世界しか知らなくて、北海道の中だったら一番うまいっていう自信もあった」と札幌U-18時代を振り返り、大学に来てこれまで見た以上の真摯さでサッカーと向き合う仲間の取り組みを見て、その姿勢に触れる中で自らも意識の面で大きく成長を遂げた。

「このチームは僕が失点しなかったら、絶対勝てるチーム。僕が味方を動かして、自分が身体を張って勝利に貢献したい」と最上級生となった今年はDFリーダーとしての自覚も十分だ。チーム全体を後ろから見て周りを動かし、失点のリスクを減らせるように積極的に声を出す。この日無失点で勝ちきったことも「僕のセーブだけじゃなく、みんなが最後の最後のところで身体を張ってくれた。チーム全員で勝ち取ったって思っています」と誇らしげに話した。

 同期の食野やMF福井和樹(4年=G大阪ユース/相模原内定)、DF西矢慎平(4年=神戸弘陵高/富山内定)が内定を決めている中、山本もサッカーを続けることを希望しているが、現時点では進路は未定。だが、初優勝へ向けてチームを支えるプレーを見せ続けることで、自分の将来にも繋げていきたい。

(取材・文 蟹江恭代)
●第101回関西学生L特集
蟹江恭代
Text by 蟹江恭代

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