beacon

[関東]筑波大“三笘効果”で有力選手続々入学の裏で上級生の悩みも…神戸内定主将MF山内翔「全員がひとつになった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[11.4 関東大学L1部第20節 筑波大1-0東京国際大 筑波大G]

 筑波大が黄金期の到来を予感させる6年ぶり16回目の関東大学リーグ1部優勝を飾った。

 大学3年生になる直前の昨年3月に卒業後のヴィッセル神戸入りを発表。「ラスト1年、ここに残ると決めて」キャプテンも務めたMF山内翔(4年=神戸U-18)は、「自分ひとりで引っ張ってきた感覚は一切ない。全員がひとつになって今日を迎えられてよかった」と感慨深げに話した。

 “三笘効果”による前評判の高さは誰もが認めるところだった。20年3月に卒業した三笘薫が、入団した川崎フロンターレで大活躍。日本代表でも中心選手となるなど、子供たちが憧れを抱く選手の代名詞となった。「三笘選手のようになりたい」。難関大学としても知られるが、入学を志願する有力選手が増えていった。

 そして今年は世代を代表する新入生が入ったことでも話題を集めた。昨年度の高円宮杯プレミアリーグWESTで21得点を決めたFW内野航太郎(1年=横浜FMユース)やDF池谷銀姿郎(1年=横浜FCユース)はいきなりレギュラーポジションを奪う活躍。必然的に上級生がベンチ、またはベンチ外に回ることになっていった。

 優勝を決めたこの日の一戦だが、4年生で先発したのは山内とGK高山汐生(4年=湘南ユース)の2人だけだった。山内も主将として同級生に接する中で苦労もあったようだが、「仲間のことを考えれば心が痛いところもあるけど、腐ることなく取り組んでくれている。自分が何かをやったというよりも、ひたむきに練習してくれた」と、何よりもまずはチームを第一に考えてくれた仲間たちへの感謝を語った。

 入学してすぐに一桁の背番号を背負うなど、レギュラーとして4年間を戦ってきた山内だが、やはり日本一を獲ってからプロの舞台に進みたいという思いを強くする。リーグ戦の優勝は6年ぶりだが、インカレ優勝となると、三笘が1年生だった2016年度以来、7年ぶりということになる。山内は「(優勝間近の神戸で)自分も出れる権利はあるので、力になりたいなというのはあるけど、まずはこっちで頑張りたい。インカレで結果を残して上手く神戸で試合に絡めるようにしたい」と意気込んだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第97回関東大学リーグ特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

TOP