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[関東]王者・筑波大が明大撃破で有終の美! 角がPK弾、CBコンビは得点ランク1位2位を封印「守備陣の安定感がチームの肝だった」

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リーグ戦を制した筑波大が有終の美

[11.19 関東大学L1部第22節 明治大0-1筑波大 味の素フィールド西が丘]

 関東大学リーグ1部は19日に第22節2日目を実施し、全日程を終えた。最後の対戦カードは明治大筑波大。すでに優勝を決めている筑波大が1-0で有終の美を飾った。

 3位・明大は4-4-2の布陣を敷く。GKは上林豪(3年=C大阪U-18)で、4バックは左からDF永田倖大(3年=鳥栖U-18)、DF井上樹(4年=甲府U-18/甲府内定)、DF岡哲平(4年=FC東京U-18/FC東京内定)、DF内田陽介(3年=青森山田高)。ボランチ2人はMF木内達也(3年=鹿島ユース)、MF松尾春希(2年=尚志高)。左サイドハーフはMF林晴己(3年=高川学園高)、右サイドハーフはMF田中克幸(4年=帝京長岡高/札幌内定)で、2トップはFW太田龍之介(4年=岡山U-18/岡山内定)とFW中村草太(3年=前橋育英高)となった。

 すでに前々節に優勝を決定済みの筑波大は4-2-3-1の布陣。GKは高山汐生(4年=湘南ユース)、4バックは左からDF安藤寿岐(2年=鳥栖U-18)、DF諏訪間幸成(2年=横浜FMユース)、DF福井啓太(3年=大宮U18)、DF池谷銀姿郎(1年=横浜FCユース)。ボランチ2人はMF加藤玄(2年=名古屋U-18)とMF山内翔(4年=神戸U-18/神戸内定)。左サイドハーフはMF山崎太新(2年=横浜FCユース)、右サイドハーフはMF角昂志郎(3年=FC東京U-18)で、トップ下はMF高山優(3年=筑紫丘高)。1トップはFW半代将都(3年=大津高)が務めた。

 前半は明大が圧していたが、徐々に筑波大がペースを握った。前半25分、諏訪間が最終ラインから右足でロングボールを放つ。最前線で反応した半代がPA右から右足シュートを放つも、ゴール左外に外れていった。同32分には得点ランクトップの中村に最前線でボールを持たれるが、諏訪間が冷静にスライディングカット。45分間が拮抗したまま後半に折り返した。

 後半8分にスコアが動く。筑波大は右CKから明大にクリアをさせず、敵陣付近で圧をかける。山内がPA左に入り込み、山崎が左サイドからクロス。ゴール前で混戦となり、角がヘディングシュートで押し込むと、相手のハンドを誘発し、PKを獲得した。角が即座にボールを抱え、キッカーは譲らず。ゴール左隅に決め切り、先制ゴールをもたらした。

 明大はシュートシーンまで持っていけず、時間は刻々と過ぎていく。後半アディショナルタイムには岡が最終ラインからロングボールを蹴り込み、PA手前で途中出場MF熊取谷一星(3年=浜松開誠館高)がトラップ。左足シュートを放ったが、ゴール上に大きく外れた。試合はそのまま終了し、筑波大が6連勝を達成。最終節を笑顔で終えた。

 筑波大は盤石の強さでリーグ戦を終えた。前々節に優勝を決めた2位・東京国際大戦や、今節の3位・明大戦で確実に白星を奪取。小井土正亮監督は「波なく安定した試合を続けられたからこそのリーグ戦の優勝」と長期戦での手応えを語る。「選手たちのたくましさとかゲームに対する準備も含めて、勝ちへのこだわりも今シーズンは非常に高く維持してくれた。それが一番の勝因」と一年を総括した。

 シーズン終盤戦では直近6試合中5試合で無失点と守備も安定。最終節を終え、リーグ最少失点の20に抑え切った。明大には得点ランク首位の中村、2位の太田と強力攻撃陣がいたが、諏訪間と福井が冷静に封印。「あの2人が支えてくれたのが非常に大きい。あとGK高山も声のかけ方やハーフタイムの修正などがあった。GKも含めた3人の安定感は本当にチームの肝だった」と指揮官は称賛していた。

 6年ぶりの優勝とともに、全日本大学サッカー選手権(インカレ)では2016年以来の頂点を目指す。小井土監督は「相手は関東1位に向かってくる。それを圧倒できる力と、どんなことが起きても動じない準備をこれからする。もう一回引き締めてトライしたい」と力を込めた。

 前回王者の明大は3位でリーグ戦を終えた。今シーズン序盤には異例のアクシデント。2年連続で学生審判員の登録者数を満たしていなかったことで、関東大学サッカー連盟から第4節までに獲得した勝ち点を無効とする処分を下されていた。明大は開幕4試合で1勝3分と勝ち点6を手にしていたが、その数字は消滅して最下位に転落。仕切り直しの中で再スタートを切っていた。

 事情はあれど、異例の事態となったことに栗田大輔監督は「リーグ全体に動揺を与えてしまったという意味では本当に申し訳ない」と口にした。それでも、苦境の中から這い上がった選手たちを称賛する。「選手は誰一人としてそれを理由にすることはなかった。3位という成績を収められて、選手たちはよく頑張ったなと。4試合マイナスはプレッシャーだったと思う。その中で結果を出して、インカレも14年連続出場。上位の成績を常に収めている。本当に誇らしいこと」と教え子の奮闘をねぎらった。

 インカレでは2019年以来の優勝を狙う。栗田監督は「1試合目からフルパワーで。その先に向かって勝ち上がりたい」とタイトル奪取に燃えていた。

(取材・文 石川祐介)
●第97回関東大学リーグ特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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