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[MOM916]京都産業大MF夏川大和(4年)_苦しんで掴んだ初優勝、「日本一」へ気持ち新た

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 第101回 関西学生サッカーリーグ後期第11節 京都産業大2-1関西学院大 セレッソ大阪舞洲日本ハム桜グラウンド]

 引き分け以上で優勝は決まる。だが、前半45分に失点し、優勝は簡単にはつかめないことを、改めて実感させられる展開となった。

 ただハーフタイムに吉川拓也監督から、「もっとやれる」というところをしっかりと伝えられたイレブンは、その言葉を体現する。後半3分、MF食野壮磨(4年=G大阪ユース/東京V内定)が同点弾を決めると、立て続けに仕掛けてくる関西学院大の分厚い攻撃を防いでいく。すると後半40分、MF夏川大和(4年=草津東高)が左サイドから上げた絶妙のクロスがオウンゴールとなり、創部51年目の初優勝を勝利で飾った。

「クロスを上げるっていうのを意識したんで、それが結果ゴールになった」と、夏川は決勝点につながったプレーを振り返る。「いつもクロスにFWの選手が一枚入ってくる。FWが僕を信用してくれてるんで、意識して縦に仕掛けるところはやっています」と話すようにアグレッシブな動きから好機を演出する京産大の攻撃のキーマンのひとりだ。

 だが、この日は対峙する関学大の右SB・濃野公人(4年=大津高/鹿島内定)に手こずり、前半はなかなか持ち味であるドリブルを出せなかった。「自分がそこでビビっていても意味がない」と後半は積極的なプレー。二人を引き付けて縦へとドリブルし、上げたクロスが歓喜をもたらした。

 前節の関西大戦では、残り30秒というところで失点してドロー。見えていた優勝が遠ざかった。夏川も「あの試合の後は立ち直れない選手も多くて、けど自分たちが有利っていうところは変わらない。吉川監督も含めて目の前の一試合を全員でやろうと意識したのがこういう結果につながった」と苦しんで掴んだ優勝を噛みしめる。

 同期にはユース出身の選手が多く、入学当初はレベルの違いに戸惑うことも多かった。しかし、そう感じたチームメイトたちの意識の高さに触発され、「自分自身がもっとついていかないといけないなと感じましたし、そう考えるようになったのが大学へ来て一番成長したことかな」とここまでの4年間を振り返る。

 2年前のインカレはベンチで出場機会を得られなかった。今年はチームを引っ張る存在として、次の目標である「日本一」へ向けて、自らの力で一つずつ勝ち上がっていきたい。

(取材・文 蟹江恭代)
●第101回関西学生リーグ特集
蟹江恭代
Text by 蟹江恭代

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