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[デンチャレ]U-20大学選抜追加招集の筑波大MF廣井蘭人、中村憲剛コーチの個人レッスンに感激「幸せな時間でした」“憲剛ターン”から即結果も

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MF廣井蘭人(筑波大1年=帝京長岡高)が1得点と結果を残した

[2.28 デンチャレグループA U-20全日本選抜1-2東海選抜]

 1-2で競り負けたU-20全日本大学選抜だが、後半8分にMF廣井蘭人(筑波大1年=帝京長岡高)が一時同点となるゴールを決めた。

 廣井は大会直前にMF山崎太新(筑波大2年=横浜FCユース)が負傷したことによる追加招集で選抜入りしていた。「いいチャンスを貰えたので嬉しいです」。大会4日ほど前に急きょ知らされたというが、指名を意気に感じてプレーしている。

 合流初日から刺激的な毎日を過ごすことが出来ている。今大会はU-20大学選抜のコーチとして元日本代表の中村憲剛氏が帯同。廣井にとっても幼少期の憧れたプレーヤーの一人で、初日のミーティングで話してくれた「前を向ける選手が一番いい選手」という言葉は、今後も大事にしていきたいと話す。

 またこの日の得点シーンでも見られた後ろからのパスで前を向く動きは、中村コーチに伝授されたものだった。ある日の練習後に「前を向くターンを教えてください」と個人レッスンを志願。FW塩貝健人(慶應義塾大1年=國學院大學久我山高/横浜FM内定)ととともに特別授業を受けることになった。「幸せな時間でした」。そしてすぐに結果で見せられたことが何よりも嬉しい。

 高校1年生の時に出場した高校選手権の活躍で名前を全国区にした廣井は、同年度の日本高校選抜にも選出。当時1年生で選ばれたのはFW福田師王(ボルシアMG)、MF荒井悠汰(FC東京)、そして廣井の3人だけだった。ただ廣井も高校3年生の時にフェイエノールトの練習に帯同するなどしていたが、結局高卒プロを選択することはなかった。「現状をしっかりとみると、プロで活躍する姿を想像できなかった」。

 そしてその決断が間違いでなかったと早くも感じることが出来ている。OBの三笘薫の活躍もあって、昨年の筑波大の新入生はハイレベルな世代と大きな話題を集めた。廣井もその中に入ってプレーすることで、これまでにない成長速度を感じることが出来ているという。

「長岡以外でサッカーをするのは初めてでしたが、刺激的な1年という言葉が合う。彼らと日常を過ごす中で、こうやって毎日を過ごしているんだと感じられた。なかなか試合に出られない時期もあったけど、高校の1年間より成長できたと思っていて、ポジティブな1年だったなと思っています」

 3年ぶりに帰ってきたデンチャレの舞台は、現在地を確認する場にもしたいところだ。多くのJリーグスカウトが連日の試合に熱視線を送っており、新戦力の発掘を行っている。廣井も「ただ経験するだけじゃもったいない」と爪痕を残すつもりでいる。「前に出るところだったり、切り替えの運動量は高校からすごく上がったなと感じています」。選手権のヒーローだった廣井蘭人とはまた違う、新たな姿を披露する。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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