2日のリーガ・エスパニョーラ第31節、カンプ・ノウを舞台としたバルセロナ対レアル・マドリーは、2-1でマドリーの勝利に終わった。スペイン人識者は、ジネディーヌ・ジダン監督率いるマドリーがチャンピオンズリーグ優勝を目指す上で、重要な勝利をもぎ取ったとの考えを述べている。

　スペインのスポーツ新聞『マルカ』でマドリーの試合レポートやコラムを執筆するサンティアゴ・セグロラ氏は、この試合でマドリディスモ(マドリー主義)の根幹とされる不撓不屈の精神を見せたマドリーを称賛。ホルヘ・バルダーノ氏が「ジャーナリズム界のマラドーナ」と称する同氏は、『マルカ』の試合レポートで次のように記している。

「レアル・マドリーの古き規則が然るべき舞台、瞬間に発動し、容易には信じられぬバルサの倒壊を促した。批判や失望から立ち上がれる、予測の立たぬ誇り高きチーム。マドリーはピケの得点、その後のセルヒオ・ラモスの退場という逆境の中で勢い付いたのだった」

「クラシコは、どのような状況で行われたとしてもカフェインが溢れ返るものであり、今回の一戦とて例外ではない。あれほどの困難と疑念にさらされていたマドリーには、名誉ある勝利と質の高いパフォーマンスを必要としていた。疑いが生じている中で、シーズンの終盤に立ち向かうことはできなかった。だからこそカンプ・ノウでの成功は、チームとその周囲の楽観性を底上げしならなくてはならない。サッカーには自然的変化があるもので、それはマドリーに熱情と自信でもってチャンピオンズリーグに攻め入ることを許すはずだ」

　セグロラ氏は、クリスティアーノ・ロナウドが献身的に守備をするなど、マドリーがチームとしてプレーしたことに勝因を見出している。

「レアル・マドリーは試合終了までの20分間に一気に勢いを強めたが、それまでは何より用心深さが際立っていた。前半の攻撃は何も物を言うことなく、そのゲームプランは攻撃よりも守備の規律を重視することに基礎が置かれていた。しかし守備における努力は、決して軽蔑すべきものにはならなかった。そのようなプレーとは無関係であり続けたC・ロナウドさえ、ときにカルバハルの助けとなっていたのだから。マドリーに守備の規律を捨て去る選手は存在せず、バルサに対しては同じことが言えるべくもなかった」

　マドリーの中で特に重要であった選手は、右サイドバックのダニ・カルバハルとの見解だ。

「ベンゼマ、ベイル、C・ロナウドがその足跡を残す前、カルバハルのような選手たちに依存していた。ここ数試合不在で、このクラシコで戻ってきたカルバハルはじつに素晴らしいパフォーマンスを披露している。ジダンはおそらく、ベルナベウのクラシコで、ダニーロがネイマールのプレーを許し過ぎたことを考慮したのだろう。カルバハルは一つひとつの点で、マドリーのクラシカルなる選手像を体現した。彼は骨の髄まで競争的な選手である」

「カルバハルはネイマールをピッチ上から消し去り、またバルサの左サイドを切り崩した。そして逆転弾においては、まさに決定的なプレーを見せている。彼はS・ラモスが退場し、チームに用心深さを促す時間帯において冒険に繰り出した。そう、レアル・マドリーは数的不利の中でも、バルサが倒壊の途中であることを検知した。引き分けを選択できる状況にもそれを選ばず、勝利を求めたのだった。その振る舞いは、偉大なるものとしか解釈し得ない」

　セグロラ氏は一方で、バルセロナが本来のパフォーマンスには程遠かったとの感想も記している。

「この試合では、バルセロナの空回りが多くを物語った。彼らの良質なプレーはただただ正しいだけで、その範疇を超えることはなかった。試合終了までの15分間は、彼らにとって疲労と混乱の時間帯となっている。メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの存在感が、これほど薄かった試合など滅多にはない。彼らは肉体的に存在こそしていたが、インターナショナルウィークに大陸を横断したことを感じさせている」

「予測不可能なプレーを見せる選手たちを擁したバルサだが、この一戦では見え透いたパフォーマンスに終始している。前線の3選手にキレがないことは、すぐに理解し得ることだった。前半のバルサは、勢いよりもただ戦術に支配されていた。そしてレアル・マドリーが試合の均衡を崩そうと試みた際、彼らの船体はいたるところから水が漏れ出した。メッシ、L・スアレス、ネイマールの守備への貢献は一切なく…。そうしてマドリーは3得点を記録し、その内ベイルのゴールは取り消された。しかし審判の暴走などはさして重要ではない。傑出していた出来事は、マドリーが偉業を求められた試合で見せた、巨大な成長である」

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