プレミアリーグの“ブラックボックス”がついに公開されるようだ。『ESPN』が8日、同リーグの審判員による会話音声がテレビ放送されると伝えた。

　同メディアによると、15日に英テレビ局『スカイ・スポーツ』で放送される番組で、今シーズン話題になった判定の主審とVAR間の音声が紹介される予定。2017-18シーズンのFAカップ決勝で起きたPK判定の音声が公開されたことはあるが、プレミアリーグの試合における審判の会話は初公開となる。

　この取り組みは今季途中に審判統括団体・PGMOLのトップに就任したハワード・ウェブ氏の意向によるもの。南アフリカW杯の決勝で主審を務めた同氏は、アメリカの審判委員会で勤務していた際に透明性を示す様々な取り組みを実施。メジャー・リーグ・サッカー(北米1部)へのVAR導入時には1時間を超える説明動画を、導入後は現在まで続く『インスタント・ビデオ・レビュー』という審判間の音声を公開して判定の経緯を伝える番組をそれぞれユーチューブに投稿している。PGMOL会長就任時には、イングランドでも同じように“開かれた”審判の場を作ることを明言していた。

　もっとも、ラグビーなどのように試合中にリアルタイムでファンが聞くことはできない。これは国際サッカー連盟などの規制があるためで、試合後の公開のみ可能のようだ。それでも大きな一歩であることは間違いないだろう。

　今回の放送は試験的なもので、来シーズンより定期的な公開を予定しているという。こうした取り組みによりファンの判定に対する理解増進、判定への納得感の高まりが期待される。

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