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相次ぐ人種差別問題にFIFA会長「試合中止なら違反者がいるチームの敗戦とすべき」211か国に団結呼びかけ

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FIFA会長が団結を呼びかけた

 国際サッカー連盟(FIFA)のジョバンニ・インファンティーノ会長が8日、欧州サッカー連盟(UEFA)の総会に出席し、人種差別問題の根絶に向けて団結することを呼びかけた。

 ヨーロッパでは選手の差別被害が相次いでいる。セリエA第21節・ウディネーゼ対ミランでは、ウディネーゼサポーターがミランのGKマイク・メニャンに向けて差別的なチャントを歌って試合が中断。イングランド2部のシェフィールド・ウェンズデイ対コベントリーではシェフィールド・Wサポーターが差別的なジェスチャーをして問題になった。さらにUEFA総会が行われた当日、ブレスト(フランス)が所属選手のSNSに差別的なコメントが送られていることを伝え、選手への連帯を示す声明を発表している。

 インファンティーノ会長はUEFA総会で「1つ言及しておきたい話がある。それは人種差別だ」と切り出し、「最近の数か月、数週間で残念ながら多くの差別に関する事案を目にした」とコメント。「人種差別は犯罪だ」と強く非難し、違反者は世界中のスタジアムから入場禁止処分を受ける重大な違反だと示しながら以下のように伝えた。

「我々は主審が試合を止める、試合を中断させる、試合を中止にするという3つの手段がある。試合が打ち切られた場合、処分の内容は原因となった(サポーターのいる)チームの敗戦とする必要がある」

 人種差別は愛するチームにも悪影響を及ぼしかねないことを指摘したインファンティーノ会長は、「バンコクで行われるFIFA総会までの3か月間、我々全員が団結して取り組むことを提案する。そして5月のFIFA総会で211の国が団結し、強い意志のもと集合して人種差別との戦いに向き合おう。人種差別をやめよう。今すぐやめよう。団結して取り組もう」と呼びかけている。

 日本代表でも先日、アジアカップを戦っていたGK鈴木彩艶(シントトロイデン)への差別的なSNS投稿が問題となった。鈴木自身も「控えていただきたい」と強く抗議。森保一監督も公式会見で「我々の大切な選手であり、日本の大切な選手である鈴木彩艶に人権侵害の言葉、差別的な言葉を向けた人には断固として抗議したい」と言及する事態となっていた。
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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