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FAカップの再試合完全廃止に非難声明続出…EFLクラブらへの相談なく決定か「敬意を完全に欠いている」

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4部クラブの本拠地で戦うマンチェスター・U

 イングランドFAカップが来季から再試合を完全廃止することに対し、2部リーグ以下のクラブやイングランド・フットボール・リーグ(EFL)から大きな批判の声が出ている。イングランドサッカー協会(FA)はプレミアリーグと協議した一方、EFLや下部リーグのクラブとは話し合いをしなかったようだ。

 現行方式のFAカップは4回戦までの試合で90分を終えて同点の場合、ホームとアウェーを入れ替えて再試合を行っている。しかし18日、FAとプレミアリーグは来季から最低6シーズンにわたってFAカップの全ラウンドで再試合方式の廃止で合意したことを発表した。欧州カップ戦のフォーマットが来季から変わり、試合数が増加することを理由としている。

 しかしこの発表後、トランメア(英3部相当)は公式サイトを通じてEFLや下部カテゴリークラブに対する相談がなかったことを明かし、独善的な決定を非難する声明をいち早く発表した。

 FAカップは下部カテゴリーのクラブがプレミアリーグのビッグクラブと対戦できる貴重な機会のため、クラブやサポーターの熱量は非常に高い。また、小規模クラブにとって大きな収入源でもある。そういった背景がありながらFAはプレミアリーグとの間でのみ協議を行い、一方的に決定を下したことになった。

 トランメアは「フットボールピラミッドとファンへの敬意を完全に欠いている」と伝え、「フットボールはみんなのものであり、裕福なクラブのみが参加できる密室のやり取りで決定を下すべきではない」と訴えている。

『BBC』によるとEFL幹部のトレバー・バーチ氏も「苛立たしく、失望する」と今回の決定に異議を唱えている。トランメアに続いて「プレミアリーグやFAが何を考えてこの動きをしているのかわからない」(ピーターバラ)、「多くの人の夢が少数派によって否定されるべきではない」(リムズビー・タウン)など各クラブの会長からも批判の声が相次いでいる。

 チェルシーなどでプレーしたパット・ネビン氏は下部カテゴリーのクラブが再試合を開催することで、数年間のクラブ経営に必要な収入を獲得できていることを伝えている。また、欧州カップ戦のカレンダーを理由としつつ、プレミアリーグ勢が不在の1回戦から再試合を行わないことへの矛盾を指摘する声も出ている。

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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