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W杯出場に王手のウクライナ代表監督「選手たちは国民のためにできることを全てやった」

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ウクライナ代表のオレクサンドル・ペトラコフ監督

 ウクライナ代表のオレクサンドル・ペトラコフ監督が1日に行われたカタールW杯欧州予選プレーオフ準決勝のスコットランド代表戦(○3-1)後、この勝利をロシアと戦う母国の人々に捧げると語った。アメリカ『ESPN』が指揮官のコメントを伝えている。

 この一戦は当初、3月に開催される予定だったが、ロシアのウクライナ侵攻で延期となっていた。

 侵攻が開始されてから初めてのゲームに臨んだウクライナは前半33分、ロングパスで抜け出したMFアンドリー・ヤルモレンコがループシュートを決め、先制に成功。後半4分には右サイドからのクロスをFWロマン・ヤレムチュクが頭で叩き込み、追加点を挙げた。

 後半34分にスコットランドのMFカラム・マグレガーに1点を返されたが、同アディショナルタイム5分にカウンターからFWアルテム・ドフビクがGKとの1対1を制し、ダメ押し弾を奪取。3-1の快勝でW杯出場に王手をかけた。

 久々に90分間の試合を指揮したペトラコフ監督は会見で「この瞬間にゲームを分析したくはない。疲れ切ったよ」と疲労をにじませつつ、母国への思いを口にしている。

「全ての感情はピッチの上に置いてきた。この勝利は私のためでもなく、選手たちのためでもなく、国のためのものだ」

「チームの努力、チームの勝利、チームワーク、選手たちは国民のためにできることを全てやった。故郷で見ている人たちのため、塹壕の中の軍隊のため、病院にいる人たちのためにプレーした。彼らは私たちに感謝し、私たちは彼らに感謝を返すのだ」

 また、ウクライナをホームに迎えたスコットランドの人々からの歓迎にも感謝を示している。

「この困難な時期に、この素晴らしいもてなしの心を持つスコットランドの人々に感謝の意を表したい」

「昨日、街を歩いていると、人々が私たちに近づいてきて、幸運を祈ってくれた。信じられない思いだ。ありがとう、スコットランド。このことは決して忘れない」

 プレーオフ決勝は5日に行われ、敵地でウェールズ代表と対戦する。勝てば4大会ぶり2度目のW杯出場だ。

 指揮官は「最後の血の一滴まで戦う人たち、日々苦しむ人たちのためにプレーし、大きな目標に向かって一歩一歩前進することができた」とし、「これからウェールズ戦が控えているが、みんなが期待していることを全てやり遂げるつもりだ」と強い決意を述べた。

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