元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏が、故郷ロマーニャ地方の地元メディア『テレロマーニャ』のテレビ番組に出演し、今秋に予定されているカタール・ワールドカップ(W杯)について持論を展開した。

　かつてミランやユベントスなど、セリエAのビッグクラブで活躍したザック氏は、2010年に日本代表監督に就任。翌年、カタールで行われたアジアカップを制覇したほか、2014年のブラジルW杯へとチームを導いた。

　その後、中国のクラブチームやUAE(アラブ首長国連邦)代表での指揮を最後に第一線から離れ、近年は解説業などに従事しているザック氏。最近、カタールW杯出場国からのオファーを拒否したことも明かしたばかりのイタリア人指揮官が、あごひげ姿のワイルドないでたちで地元メディアのテレビ番組に登場し、秋冬開催の異例のW杯に苦言を呈した。

「今年のW杯は、国内のリーグ戦を台無しにするかもしれないって?　カタールでのW杯開催が決まったのは、2010年のこと。私は日本代表監督を務めていた時、カタールでの開催を伝えられたが、私が当時、どんな印象を受けたかは、みなさんも想像できるだろう。果たしてそんなことをする必要があったのだろうか」

「W杯はこれまで、みんなが休暇に入る夏に開催していた。観客のことも考えなければならないからね。夏の休暇中であれば、昼でも夜でも試合を見ることができる。だが今年の日程では、世界中の人々が日中、仕事をしていることになる。多くのサッカーファンやサポーターにとって、W杯のすべての試合を観戦することは難しくなる」

「それに加えて、現地へ観戦に行く人々にとっても、すべての試合を観戦するのは簡単ではないだろう。私は日本代表監督としてドーハでアジアカップ優勝を経験したが、あの時は、ほとんどの試合をドーハ市内で開催していた。だが今回は移動がどうなるのか想像できないよ」
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