beacon

鳥栖FW平、高校選抜候補合宿で不満の出来も守備でチーム救う

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.11 練習試合 日本高校選抜候補7-1静岡産業大]

 最前線から懸命にボールを追う姿が、急造チームの日本高校選抜候補に勢いをもたらしていた。FW平秀斗(佐賀東高3年)は年代別の日本代表歴を持ち、新シーズンからはサガン鳥栖でプレーするストライカー。試合後に「遠慮したというか、周りを見えていなかったというのか分からないですけど、自分を出せなかったですね」と反省したように、チャンスには良く絡んでいたものの、シュートを打つべきシーンでパスを選択してしまったこともあり、50分間の出場で得点を決めることはできなかった。

 満足行く結果を残すことはできなかった。ただ、自分自身のこだわりは貫いた。「プロで練習していて、高校の方の選抜に来て、もう少しやれるかなと思っていたんですけど、自分のプレーを出せなくて。それでも自分が何ができるかと言ったら前から追うことだと思った。相手がファウルで倒れても、調子が悪い分、そこでやっていかないかんと思っていた。ファウルしてもいいから、取ることを意識して。みんな意識していなくても自分は意識して取りに行くことを考えてやっていました」という平は、前線から相手を追い回してミスを誘い、味方のチャンスにつなげていた。

 この守備意識の高さはプロに入る前から持っていたもの。「自分がFWのエースとして、自分がボールを取ってチームに貢献するんだという意識を高校の時から持ってやっていました」という。今回の高校選抜候補は2日間の対外試合を通して強固な最終ラインも光っていたが、前線からのプレスが利いて、中盤でボールを奪い取る回数が多かった。高校選手権不出場組ながら、合宿に招集された平は守備面での貢献度も大きかった。

 この後は鳥栖に合流して、開幕戦出場を目指していく。「鳥栖に帰ったら、自分が一番下で失うものは何もない。今の段階では開幕戦を狙って、少しでも多くでも試合に出て経験を積んできたい」。攻撃面はもちろん、意識の高い守備でも評価を勝ち取って出場機会をつかむ。

(取材・文 吉田太郎)

TOP