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関西遠征メンバーを選考、「NIKE FC選抜チーム」がトレーニング&セレクション開催

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 ユース世代のフットボールプレーヤーをサポートするナイキジャパンが育成年代に向けて行っている特別強化プログラム「NIKE FC」の選抜チームは10日、さいたま市のレッズランドでトレーニングおよびセレクションを行った。

 セレクションには中高生44人がチャレンジ。フィジカルテストやミニゲームなどを経て11人が突破した。4人に一人の“狭き門”をくぐり抜けた11人に、NIKE FCの現メンバー13人を加えた計24選手は4月1、2日に行われる関西遠征に参加。マンチェスター・ユナイテッドの育成コーチから指導を受けるほか、関西の強豪チームと練習試合2試合を行う予定だ(メンバー一覧はこちら)。

 競争率4倍となったセレクションは、実に激しいものだった。フルピッチを3コートに分け、NIKE FCの現メンバーで構成されたチームを含めた計6チームが実戦さながらのミニゲームでアピール合戦を繰り広げた。コーチ陣がピッチの至るところで目を光らせる中、MF長谷川慧多(柏日体高2年)がゴールネットを揺らせば、GK佐藤建太(柏日体高2年)は至近距離からのシュートに対し好セーブを連発。この日初めて会った選手も多い急造チームばかりだったが、DF渡辺拓磨(石神井高2年)は最終ラインから積極的に声を出し、チームメイトに的確な指示を飛ばした。

 高校ではキャプテンも任されているという渡辺は「チームでも声を出すという部分は常に意識してやっている。初めて会う人と話したり、一緒にプレーしたり、そういうことも含めて楽しかった」と笑顔で振り返った。ミニゲームでは、NIKE FCの現メンバーで構成されたチームとも対戦。「今いるNIKE FCのメンバーはうまさが違うなと思った。考え方が頭一つ出ていた」と、刺激も受けたようだった。

 ミニゲームの前には、NIKE FC選抜チームの現メンバーとセレクション組が混ざってトレーニングを行い、クロスからのシュート練習など、さまざまなメニューをこなした。リー・マンソンヘッドコーチは、クロスを上げる際の体の向きやボールの置き方などを細かく指示。英国3つのプロチームでトップコーチを務めた経歴を持つ同ヘッドコーチ、さらには元U-18メキシコ代表のジョージ栗山GKコーチによる指導は、初参加となったセレクション組にとっても新鮮なものだった。

 GKの佐藤は「気づかされることが多くて勉強になった。シュートに対して一歩詰めるのか、止まるのかで全然違う」と目を輝かせる。持ち前の明るいキャラクターでセレクションの盛り上げ役となり、「そこは自分のアピールポイント。GKから盛り上げて、チームが良くなればと思う。一番周りが見えているポジションなので」と、意欲的に語った。

 刺激を受けたのは、セレクション組だけではなかった。NIKE FC選抜チームの現メンバーであるMF菊池大輔(矢板東高2年)は、実際にミニゲームで対戦したセレクション組について「自分の持ち味はフィジカルを生かして中盤で相手に仕事をさせないこと。でも、テクニックのある選手にかわされる場面もあって、正直ビックリした」とコメント。レベルの高さに危機感を覚えると同時に、さらなるモチベーションにつながった。

 NIKE FCの現メンバーながら、人数の関係でセレクション組のチームに加わったDF北村大輔(藤沢西高2年)も「自分がディフェンスの中心になってやろうと思った。声を出して、前を動かして、いいゲームができたと思う」と胸を張る。ミニゲームでは敵としてNIKE FC選抜チームとも対戦し、「仲間を客観的に見ることができて、自分ももっとがんばらないといけないと思ったし、刺激になった」と振り返った。

 約2時間に及ぶセレクションが終わると、コーチ陣が集まって合格者を選考。全選手の前でセレクション通過者24人の名前が読み上げられた。リー・マンソンヘッドコーチは「勝っても負けても(合格してもしなくても)、強くなって帰ってきてほしい。今日選ばれなかった選手も『しっかり見てくれ』と思ったら、また挑戦してほしい」と全選手の前で呼びかけ、セレクション合格者24人に対しては「名前が呼ばれたときの感覚を忘れないでほしい。この瞬間が、勝った瞬間。この気持ちを何回も手に入れていってほしい」と、さらなる奮起を促した。

 セレクションに合格した24選手は4月1、2日に行われる関西遠征に参加。マンチェスター・ユナイテッドのアカデミーでU-12~U-16ユース育成コーチを務めるニール・ライアン氏によるトレーニングセッションを受けるほか、関西の強豪校との対外試合2試合を行う予定となっている。渡辺は「まずはこのチームでレギュラーを取りたい。そのうえで、チームが勝てるように貢献したい」と意気込めば、佐藤も「自分が失点しなければ負けることはない。ベストを尽くします」と誓っていた。

▼セレクション合格者
GK広保友樹(海城高1年)
GK片山淳介(神奈川大附中3年)
GK佐藤建太(柏日体高2年)
DF石田優輝(大東文化大一高2年)
DF北村大輔(藤沢西高2年)
DF蜷川翼(立川国際中等教育学校2年)
DF生田目将汰(大山高1年)
DF渡辺拓磨(石神井高2年)
DF高島和己(東大和高2年)
DF/MF南雲丈一郎(東大和高1年)
MF高橋郁海(拝島高2年)
MF菊池大輔(矢板東高2年)
MF石積玲央(橘高2年)
MF/FW検本裕也(立川国際中等教育学校2年)
MF長谷川慧多(柏日体高2年)
MF大野良騎(FCヴィスタ都幾JY=中3)
MF久保竜士(池上中3年)
MF/FW丁野大河(田方農高2年)
FW犬飼元氣(東京23FCセカンド=高2)
FW山口和樹(日本ウエルネス高2年)
FW渕野大介(神奈川大附高1年)
FW和田健二(大森学園高2年)
FW池田豊史貴(浅野高2年)
FW八重樫幸起(東大和高2年)

(取材・文 西山紘平)

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