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[プレミアリーグEAST]青森山田、初の白星発進 自慢のセットプレーで流経大柏を粉砕

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[4.12 プレミアリーグEAST第1節 流通経済大柏高 1-2 青森山田高 味スタ西]

 高校勢対決を制したのは、東北の雄だった。高円宮杯U-18サッカーリーグの最高峰であるプレミアリーグEASTは12日に第1節第2日を行い、味の素スタジアム西競技場で行われた第2試合では、青森山田高(青森)が2-1で流通経済大柏高(千葉)を下した。青森山田は、プレミアリーグが2011年に始まって以来、開幕戦は4年連続で勝ちなし(1敗3分)だったが、ようやく悲願の白星スタートを切った。

 試合の流れも、青森山田のものだった。序盤から左サイドを効果的に使った攻撃を展開。MF三上孝太が左足で繰り出す精度の高いパスからシュートチャンスを窺った。前半28分、右からクロスボールを入れると、ゴール前で選手が敵・味方入り乱れる形で交錯した。こぼれ球を右MF豊島祐希が狙ったところで背後から相手に倒されてFKを獲得。三上が左足を振り抜くと、ボールは相手GKの手をはじいてニアサイドのゴールネットを揺らした。

 また、前線では東京Vユースから移籍して「もっとずば抜けた成長を見せないと、プロの目に留まらない。高校はクラブと違う雰囲気。メンタルも磨かれると思う」と話す神谷優太が起点となった。前半32分、この新加入の10番からサイドチェンジを受けた豊島がドリブルでえぐってマイナスのパスを送り、FW鳴海彰人がシュートを放つ決定機があったが、ゴール左へ外れた。

 一方、先制された流経大柏はすぐさま選手交代の準備を行い、前半34分に2枚の交代カードを同時に切った。ともに小柄なドリブラーである鈴木豪境目正義を両サイドMFに配置し、逆襲。前半39分には右CKからジャーメイン・アレックスがシュート、前半41分には中村翼のクロスから鈴木がシュートを放つなど好機を作った。

 後半に入っても流経大柏の勢いは止まらず、素早く敵陣のハイサイドへ攻め込んだ。そして後半3分、鈴木豪が蹴った左CKをDF本村武揚が倒れ込みながら右足で押し込んで同点とした。しかし、直後に青森山田が再びセットプレーを生かした。後半5分、右サイドからDF原山海里が得意のロングスローを披露。豊島が競って前方にこぼれたボールを鳴海がヘディングで押し込み、すぐさまリードを奪い直した。

 再び追う展開となった流経大柏はFW織田敦暉を前線に投入すると、パワープレー気味に縦へ素早く展開。迫力のある肉弾戦に持ち込んでゴールへ迫った。しかし、青森山田は長身DF常田克人近藤瑛佑が制空権を譲らず、中盤もセカンドボールをフォローする徹底ぶりで2-1での逃げ切りに成功した。

 左DFとしてフル出場した青森山田の主将、北城俊幸は「初戦で硬さがあったけど、勝ち切れて良かった。後半の集中力と走力は課題だけど、失点しても崩れることなくやるべきことをやれた。セットプレーは、勝利にこだわるときの僕たちの武器」としたり顔。一方、流経大柏のDF浜野駿吾は「青森山田とは昨季の開幕戦で対戦したときにプレーしているので、イメージはできていたけど、その上を行かれた」と唇を噛んだ。

 堅守とセットプレーというチームのベースを明確に示した青森山田は、初の白星発進を上位進出につなげたい。メンバーや布陣が流動的な流経大柏にとっては、サイドからのドリブルと、前線への放り込みを使い分ける課題が浮上した一戦だった。

(取材・文 平野貴也)
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