beacon

[ミズノカップU-18IN熊本]「佐賀で断トツのチームをつくっていきたい」注目の新鋭・龍谷が来年度のシード出場権獲得

このエントリーをはてなブックマークに追加

[8.15 ミズノカップU-18IN熊本9~16位決定戦1回戦 龍谷高 3-0 近大和歌山高 熊本県民総合運動公園補助競技場]

 本格強化2年目で初出場の龍谷高(佐賀)が近大和歌山高(和歌山)に3-0で快勝。来年度のミズノカップU-18 IN熊本シード出場権を獲得した。

 注目の新鋭が前日の反省を活かして白星をもぎ取った。前日は今大会で決勝進出を果たしている名東高に1-3で敗戦。緊張もあって受け身になってしまったチームは厳しいプレッシングの前に後手となり、元福岡FWの太田恵介監督が「受けに入ってしまうと全然ダメ。前から行ってナンボというか、自分たちが攻撃的な守備で行って相手コートで動かしていく」という自分たちのサッカーをやらせてもらえなかった。
 
 だが、この日は攻守両面で速いテンポを強調。攻撃面ではパスを出して追い越していく部分を徹底すると、前半6分にFW矢上駿が先制ゴール。さらに8分、右サイドからの折り返しをMF柳迫仁が左足ダイレクトで叩きこむと、10分にもスピードを活かして抜け出した矢上がゴールを破って3-0としてみせた。
 
 近大和歌山も会場を沸かせるようなスピードを見せたFW則岡駿佑の突破や果敢なインターセプトから攻撃参加を見せた右SB奥楓晟らが龍谷ゴールを目指したが、本来の前から守備が効果を発揮し、矢上、MF白井紘彰中心にゲームをコントロールする龍谷から得点を奪うことができなかった。

 龍谷は本格強化2年目で今大会も1、2年生のみで参加。昨年の総体予選では1年生中心のチームで優勝候補の佐賀北高を破るなど佐賀では早くも存在感を示しているが、「今まではこういう(ミズノカップのような大会)ところに出てこれなかった。自分たちがどれくらいの力を持っているのか本当に分からなかった」(太田監督)という。経験値が少ないために、課題が見えてこない部分があったが、真剣勝負に近い形で行われるミズノカップで県外の強豪チームと戦うことで現在の実力や課題を確認することができている。そしてこの日は課題を改善して勝利し、来年度大会の出場権も獲得。チームにとって有意義な大会となっている。
 
 福岡大でコーチを務めてきた太田監督は恩師である福岡大の乾真寛監督のアドバイスもこの日活かしていた。「(乾監督から)いいことばをもらいます。昨日大敗して『全然ダメでした』と連絡したら『力が出せない時に、絶対的なリーダーが力を出せるようなチームにしなければダメだぞ』と言ってもらって」。前夜、主将、副主将と話し合って迎えたこの日はCB野崎聡主将がリーダーシップを発揮してチームを引っ張るなど変化が見られた。選手、スタッフが学びながら着実に階段を上ってきている。

 佐賀県内の高校では初めてとなるサッカー専用人工芝グラウンドを所有。太田監督は「学校は本当にいい環境揃えてくれてあとは僕らが結果を出すだけ」と語り、柳迫は「これから自分たちの代からつくり上げること、自分たちが伝統つくることに魅力を感じて入学した。佐賀で断トツのチームをつくっていきたい」と力を込める。この秋にも全国を驚かせる結果を残すか。サイズこそないものの、個々の技術高くポテンシャル十分の佐賀の新鋭の今後に注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
ミズノカップU-18IN熊本特設ページ

TOP