beacon

インパクト大。尚志の高速ドリブラー、MF安齋悠人が“U-16全国”敢闘賞受賞

このエントリーをはてなブックマークに追加

尚志高MF安斎悠人が爆発的なスピードで左サイドを突破

[12.20 MIZUNO wintercup U-16ルーキーリーグ決勝 静岡学園高 0-0(PK5-3)尚志高 時之栖うさぎ島G]

 インパクトは絶大だった。尚志高(東北/福島)MF安齋悠人(1年=福島ユナイテッドU-15出身)は「2021 MIZUNO wintercup U-16ルーキーリーグ」敢闘賞を受賞。準優勝に終わったことを人一倍悔しがっていたが、大会関係者やJクラブスカウトも称賛するパフォーマンスで大会を終えた。

 大会2日目までのプレーですでに関係者たちをざわつかせていた安斎は、決勝で後半開始からピッチへ。左サイドの安斎は、ボールが入るたびにドリブルで大きく前進して見せた。50m走6秒1の俊足。スピード勝負だけでも十分優位に立っていたが、それに頼るのではなく、FWネイマールを参考にしているというボディフェイントでマーカーの足を止めてから振り切るなど、状況に応じた仕掛けが印象的だった。

 静岡学園高の右SB泉光太郎も強引に身体をねじ入れてブロックするなど、強度の高い動きで対抗。だが、安斎はそれを上回るようなプレーを連発していた。強烈な縦突破、ルーズボールにDFの外側からスプリントで追いつくなど止まらず、コーナー付近からの仕掛けでDF2人をかわしてシュートを放つシーンもあった。

 だが、ラストパスがDFに当てられ、シュート精度を欠くなど得点に絡むことができず。敢闘賞を受賞したことは仲間たちに感謝していたが、決勝のプレーについては「しっかり自分がチームを勝たせる決定的な仕事がしたかったんですけれども、ラストのツメの甘さが日頃から足りていなかった。練習します」と猛省していた。

 安斎は、U-16福島県選抜の一員として出場したJヴィレッジドリームカップ(11月)・U-16日本代表候補戦でカットインシュートを決めて同点ゴール。すでに尚志のAチームでU-22日本代表CBチェイス・アンリ(3年)らとのトレーニングも経験している期待の存在だ。

「トップはドリブルとかも全然通用しなくて、アンリ君とかみんな上手くて、そこから上には上がいると思ってもっと磨こうと」。スピード一辺倒になるのではなく、ドリブルに変化を加えることにチャレンジしてきた成果を今大会で発揮した。

 尚志の1年生チームを指導してきた小室雅弘コーチが人間性も求め、「何も心配していない。(彼らに対して)妥協もしなかった。一人ひとりしっかりしている」と認める世代。2年生でもみんなに名前を知ってもらえるように。ドリブルは1試合通して全部見て欲しい。代表も入れたら入りたいです」と語る安斎をはじめとする1年生たちは、「2021 MIZUNO wintercup U-16ルーキーリーグ」で5試合を戦った経験と、決勝の惜敗を糧に飛躍する。

(取材・文 吉田太郎)

TOP