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アンリとともに声と泥臭い守りで高校選抜支えたCB馬場拓己、近隣の川崎F U-18には「本当に負けられない」

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CB馬場拓己(桐光学園高3年)は声と身体を張った守備などで日本高校選抜を支えた

[2.10 練習試合 日本高校選抜 2-4 桐蔭横浜大]
 
 1本目、日本高校選抜が強豪・桐蔭横浜大相手にリードし、試合を進めることができたのはDFラインやGK 佐藤瑠星(大津高3年)の健闘が大きかった。ボールを握られる時間が増え、サイド攻撃で崩されかけていたが、4バックは集中してラストパスやこぼれ球をクリア。味方同士で声を掛けながら、ピンチの芽を摘んでいた。

 この日、DF馬場拓己(桐光学園高3年=横浜F・マリノスジュニアユース追浜出身)がキャプテンでU-22日本代表DFチェイス・アンリ(尚志高3年)とCBでコンビを組んだ。その馬場は、「つい最近できたチームで守備のところが課題ということもあったので、そこは一つ自分たちで方向づけをして、ラインを上手くコントロールして、GKとコミュニケーションを取って、後ろアンリと自分で声を出しながらやっていこうという話でそれを1本目はできたと思う」と振り返る。

 馬場は得意のヘッドや的確なカバーリング、統率力を武器に堅守・桐光学園を支えた実力派のCBだ。1年時はU-16全国大会で桐光学園の優勝に貢献し、大会MVPを獲得。「(当時はまだ)他の高校の人たちと少し差はあったんですけれども、この3年間でその差も埋めれたのかなと思っています」と馬場。桐光学園の3年間でCBとして進化したDFは、身体を投げ出してでも相手のシュートをブロックする責任感の強さをこの日も表現していた。

 また、足元の技術力に長ける馬場にとって、1タッチ、2タッチでボールを動かす日本高校選抜のサッカーはフィーリングが合うのだという。「このチームの攻撃のところは特に、自分は今までで一番くらいやりやすいかなと思っています」。各選手の技術力が高いチームの中で、馬場は攻守で自分の特長を発揮していた。

 ただし、「凄く安心して見ていられるというか、一人なんですけれども3人くらいいるんじゃないかというくらい存在感がデカイです」というアンリが1本目終了後に交代。2本目は守備の統率を欠いてしまい、相手の俊足FWに入れ替わられてしまう部分があった。

「2本目はアンリがいなくなったのもあるんですけれども、自分の声が少なくなっていって、それで相手のペースになってしまったので2本目は修正しなければいけない部分かなと思っています」。2本目は18分に交代するまで2失点。チームのリズムを崩してしまったことを反省し、修正することを誓っていた。

 日本高校選抜は12日の「NEXT GENERATION MATCH」で川崎フロンターレU-18と対戦する。馬場が所属する桐光学園は神奈川県川崎市に位置。川崎Fの練習場である麻生グラウンドは1km弱の距離だ。

 それだけに、馬場は「同じ神奈川県で、それも川崎市なので、自分の中では本当に負けられないと思っています。やっぱりそこは絶対に勝つんだという気持ちでやっていきたいですね」と必勝を誓う。

 そして、「まず自分がアンリと2人でDFリーダーになって、このチームの後ろは俺たちに任せろという感じになって無失点。それで勝利に貢献できたらと思っています」と加えた。対戦する川崎F U-18は1学年下の世代。だが、国体選抜で川崎F U-18の選手ともプレーしたことのある馬場は彼らの賢さなどを警戒し、「泥臭さや守備の強度とかで上回っていけたら」と語った。

 第100回選手権を戦ったライバルたちとともに日本高校選抜入りできたことを感謝。「自分の中ではこの場にいられることに感謝していますし、自分の中でワクワクという気持ちが大きい。この第100回大会で集まれたことに感謝しながら、チーム一丸で絶対に勝利を勝ち取りたいと思っています」。同志社大へ進学するDFは隣でプレーするアンリやこの日対戦した大学生との差を埋めるための活動とし、自分の特長を発揮して一つでも多くの白星を日本高校選抜の仲間たちと勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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