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[J-VILLAGE CUP U18]“ピッチの監督”“陰のMVP”。評価され続けたU-17高校選抜MF徳永涼はさらに上へ

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MF徳永涼(前橋育英高2年)はU-17高校選抜の中心選手から年代別日本代表へ

[3.21 J-VILLAGE CUP U18決勝 U-17日本高校選抜 2-0 履正社高 Jヴィレッジスタジアム]

「第4回 J-VILLAGE CUP U18」を制したU-17日本高校選抜の蒲原晶昭監督(佐賀東高)は、MF徳永涼(前橋育英高2年=柏U-15出身)の存在がチームにとって非常に大きかったことを認める。

「ゲームの中で完全にリーダーシップを取ってくれるんで、攻撃にしても、守備にしても監督がピッチにいるような感覚で、良くまとめてくれたなと思います」。大会終了後もコーチ陣は徳永を称賛。大会MVPは4戦7発のFW小林俊瑛(大津高2年)に譲ったものの、“陰のMVP”と言えるような活躍だった。

 予選最終戦のU-17日本代表戦はチームのバランスを取りながら、守備能力の高さを示してマン・オブ・ザ・マッチ。前半途中に投入された決勝含めて評価され続けたことに対して徳永は、「今日だったら途中から出てもっと流れを変えられたと思うし、ミスパスも1個あってそれもピンチに繋がるものだったのでそこも減らさないといけないし、攻撃の面でバランスを取りながら係わるというシーンもつくらないといけないし、結構きょうの試合は課題が多かったんですけれども、そうやって評価されたことは嬉しい」と微笑んだ。

 決勝は投入直後から攻撃をテンポアップさせ、相手のハイプレスを回避した。そして、前後半ともにスペースへの絶妙な配球でビッグチャンスを演出。チームのバランスを取ること、ハードワークすることに注力しながら、前へのスプリント、ゴールに絡む機会を見計らっていた。そして統率の声。本人に満足感は全くないが、文字通り“ピッチの監督”の存在感があった。

「去年から自分がリーダーシップ取って『3年生を引っ張るぞ』ぐらいな勢いでやっていたので、それは日々の積み重ねで自分の良さになってきたかなと思います」と頷く。自分自身へ高い要求を続ける徳永だが、彼にとっても「第4回 J-VILLAGE CUP U18」は「(成長) 出来ました」と実感する日々になったようだ。

「こういう勝たないといけない大会をやることで練習試合と違ったゲームの運び方や代表とやった時とか何で上手くいかないか結構改善策は見出だせたので、そういうところで学びは凄くある大会でした」

 U-17高校選抜から、次は年代別日本代表へ個人昇格すること。「僕は常にそこを目指しているし、他の招集とか見て凄く悔しい思いをしているので、そこに選ばれるためにこういうところで得た経験を自チームに持ち帰って、さらに成長に繋げて行きたいです」。U-17高校選抜の“ピッチの監督”は経験を糧にしてより大きな土台を築き、急ぎすぎることなく、階段を上っていく。

(取材・文 吉田太郎)

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