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青森山田相手に示した強さと巧さ。自信ときっかけ得た市立船橋FW青垣翔はゴール量産も

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存在感を放った市立船橋高FW青垣翔。DFを剥がして右足を振り抜く

[4.3 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 市立船橋高 0-2 青森山田高 グラスポ]

 千葉の名門、市立船橋高は敗れたものの、王者・青森山田高を上回るシュート9本。チーム最多の3本を放ったFW青垣翔(3年=VIVAIO船橋SC)は、青森山田を相手に印象的なプレーを見せていた。

「足元で受けたり、ドリブルとかちょっと自信がある」という青垣は、インテンシティの高い青森山田相手にも怯まず。1トップの位置で積極的にボールを呼び込み、身体の強さを活かしてFKを獲得していた。

 前半15分に先制された直後、ドリブルで仕掛けて左足シュート。強気のプレーを見せた青垣は相手CB三橋春希(3年)と激しく競り合い、ともに注意されるシーンもあった。強敵相手に気持ちの込もった動きを見せたFWは前半38分、ハーフウェーライン付近からドリブル。そして、外へパスを出すと見せかけて切り返し、DF2人を置き去りにして見せる。

 このシーンのシュートはCB三橋にブロックされたが、自分で仕掛けてシュートへ。ドリブラーとのしての才能も魅力のFWは、後半もボールを失わずにキープし、個でチームを前進させていた。やや持ちすぎる場面があったが、周囲も活用しながら反撃の中心に。そして、後半15分にPAで左足を振り抜き、また40分には縦へ仕掛けて左足シュートを打ち切るなど、ゴールを意識したプレーをやり通した。

 3月末の船橋招待大会では、決定的なシーンで切り返してDFを外そうとしたり、パスを選択してしまうなどその巧さが仇に。チームメートから「(迷わずに足を)触れよ!」と厳しく指摘されていた。だが、この日は「自分でやれると思って、なんかあった訳じゃないですけれども、自分に自信持ってやれていました」。パスよりもシュート。ゴールへ向かう怖さがあった。

「得点獲ろうと思っていたので、絶対にちょっと空いていたら貪欲にシュートを打とうと思っていたので、シュート数は最近の試合の中では多くて、5、6本打ったんですけれども(公式記録では3本。足を振り抜いたシーンは5、6回)、決められなかったのは悔しいですね。きょうは足で受けて良い形で前に運べるシーンもあったので、(ドリブルも)もっと増やして行けたら良かった」。

 波多秀吾監督はよりゴール前で勝負することを求めた一方、「もっと良い判断をしなければいけないけれど、前で起点になっていたのは収穫だった」と頷く。青森山田を苦しめた背番号9。これまでシュート数が少ないことが課題だった青垣にとって、爆発のきっかけとなるゲームになるかもしれない。

「自分は、1試合でシュート数が少ない。きょうは正直、もっと打てたらなというシーンや、もっと良いシュートが打てたなというシーンがあったと思うんですけれども、シュートを打てたことが自信になったんで、次はもっと良いコースを狙って打ってもっと点を獲りたい」と意気込んだ。

 市立船橋進学直後は主に右SB。小中学生時代はCBでプレーすることが多かったという異質のストライカーは、目標の1試合1ゴール実現の可能性も十分に感じさせる。次は結果を。そして得点を重ねて、自身の将来を切り開く。

(取材・文 吉田太郎)
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