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[MOM3831]成立学園DF瀧川穣(3年)_ 岩手から東京で挑戦中。対人守備特長のCBが100分間無失点

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成立学園高CB瀧川穣は完封勝利に大きく貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.5 関東高校大会東京都予選決勝 駒澤大高 0-1(延長)成立学園高]

 14年インターハイ予選以来となるトーナメント戦での東京制覇。劇的な優勝の原動力となったのがDF陣の活躍だ。成立学園高の山本健二監督は、特に駒澤大高の高さ、パワーを跳ね返していたCB瀧川穣(3年=レノヴェンスオガサFC出身)を評価。「瀧川が10番のところで競ったのは大きかった。効いていたんじゃないかと思います」。174cmのDFは自身よりも10cm以上大きい185cm FW加茂隼(3年)と互角以上に渡り合い、延長戦を含む100分間を無失点で終えて見せた。

「相手の10番も高くて、強くてという相手だったんですけれども、そういう相手には自分結構自信があるので。そこを自由にさせないで上手く抑えることができたと思います。粘り強い守備ということは練習から言われてきて、1対1の対人の守備は自分の強みなのでそこでは負けないようにして、あと後ろからの声とラインコントロールを意識して無失点で抑えられました」と瀧川。競り負けるシーンもゼロではなかったが、走り込みやアジリティなど下半身を強化してきたDFはスピードや跳躍力を発揮して相手の前に立ちはだかった。

 瞬時の動きで相手の前に入ってインターセプト。敵の狙いを読む力の高さに加え、ボールを奪うタイミングが絶妙だ。この日は、チーム1、2のスピードを争うCB藤井利之(3年)との俊足CBコンビで幾度も相手の攻撃をストップ。「声を掛け合いながらできたと思います」と微笑んだ。

 瀧川は元日本代表MF小笠原満男が総合アドバイザーを務める岩手の強豪、レノヴェンスオガサFC出身。自身の成長したい、という思いと、岩手出身の成立学園・五十嵐和也前監督とレノヴェンスオガサの中村司監督の縁もあって東京の強豪校へ進学した。中学時代と成立学園ではサッカースタイルが異なり、当初は慣れずに苦しんだという。

「1、2年生は挫折しまくって……SBもやりながら技術つけて成長してきた」。コーチ陣やMF八木玲主将(3年)らチームメートからも教わり、ビルドアップのパスや運ぶドリブルをレベルアップさせてきた。

 今回の関東大会予選は守備の中心として優勝に貢献したが、成長へ貪欲。「競り合いも強くて、自分の強みが身体的なところなのでビルドアップ、技術も磨きながら鼓舞もして安定したCB、DFリーダーになりたい」。東京での挑戦3年目。目標の4冠を達成し、全国舞台で躍動する。

(取材・文 吉田太郎)

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