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[関東Rookie League]声とプレーで市立船橋支えたDF井上千陽。1年生からAチーム、県選抜、代表へ行く選手の増加を求める

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市立船橋高の1年生チームを支えたDF井上千陽

[9.3 関東Rookie LeagueAリーグ第11節 市立船橋高 1-2 帝京高 時之栖うさぎ島G]
 
 勝てば自力でのU-16全国大会出場が決まる市立船橋高(千葉)だったが、帝京高(東京)に1-2で逆転負け。ベンチも含めた選手たち、応援席の熱気も他校以上と言えるものがあったが、悔しい4位という結果になった。

 立ち上がりを課題としていたチームだが、前半11分、DF井上千陽(FC東京U-15深川出身)の絶妙なループパスから左WB渡部翔太が先制ゴール。井上は「改善できたのは良かった」と振り返るが、全国切符が目前に迫る中、チーム全体的に慌てて蹴ってしまうようなシーンが増えてしまう。

 井上は「自分たちのトラップ・パスの技術が低くて、ただ蹴るだけというサッカーになってしまっていた。蹴るのは良いけれど、そこからマイボールにするという技術が必要かなと思いました」と反省。徐々に帝京にボールを保持される時間が増え、前半のうちに同点に追いつかれてしまった。

 井上は身長170cm台半ばと特別な高さはないものの、競り合いで強さを発揮。「強度は市船の三原則で球際というのがあったのでそこは行けていたと思います」。また、相手の攻撃に対し、素早く準備することや味方との連係で対応し続けていた。

 チームはともに後ろからの声で鼓舞する井上やGKギマラエス・ニコラス・ロドリゲスを中心に良く踏ん張っていた。だが、後半28分に勝ち越されると、そのまま敗戦。全国大会出場権を手中に収めることができず、井上は「自分は結構味方に厳しく言ってしまうところがあったので、負けている時にもっとプラスの声がけができていれば」と悔しがった。

 プレーと声でチームを引っ張る井上は、台頭を期待される選手の一人。そのDFは、Aチームの最終ラインを支える170cmCB懸樋開(3年)を目標とする選手に挙げる。「先輩の懸樋さんという小柄でCBやっている選手がいるんですけれども、ハイボールの処理も、カバーリングも凄く気が利く選手なので、(先輩のように)細かいところができる選手になっていきたい」と意気込む。

 市立船橋の1年生では、関東Rookie League開幕戦などで活躍したMF峯野倖がU-16日本代表へ駆け上がり、双子の兄弟、FWギマラエス・ガブリエル・ロドリゲスとGKギマラエス・ニコラス・ロドリゲスが、AFC U-17アジアカップ予選を戦うU-16フィリピン代表入りを果たした。井上は自身を含めた1年生が成長し、ここから上のステージを戦う選手が一人でも増えることを求める。

「ここから選手権がある中でAチームに食い込んでいく選手とか、国体とか、もっと言えば代表とかにも呼ばれる選手がどんどん増えていくように。1年生だけで満足せずにどんどん上のカテゴリーに行く選手が出てこないといけない。結構代表の試合とかU-16見ていると、(CBは)みんな身長高いのでもっと自分だけの良さを出していきたい」と力を込めた。貪欲に名門・市船や他チームのライバルたち以上のDFへ。この日の悔しさも糧に進化を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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