[9.18 NB CHAMPIONSHIP U-16予選リーグ第3節 市立船橋高 2-0 米子北高 時之栖裾野G]

　相手ゴールに幾度も迫り、決定的なチャンスもあった。米子北高は、勝てば逆転での決勝トーナメント進出だったが、無得点で敗れて無念の予選リーグ敗退。普段、トップチームに帯同しているFW西尾潤星(鳥取市立南中出身)は「点を決めたかった」と悔しがった。

　西尾は前半から50m走6秒3の俊足と身体能力の高さを活かした抜け出しを連発。水溜りでボールが止まるような悪コンディションの中、強引にPAへ割って入ったり、スピードで相手を置き去りにしたりして決定的なシュートを打ち込んだ。

　だが、GKをかわして放ったシュートがゴールエリアの水溜りで止まるなど、ビッグチャンスを活かすことができない。「水溜りがちょっと……。1点入れ切れなかった。もっとしっかりと、トゥーキックで押し込まないといけなかった」と反省する。大きなポテンシャルを発揮していたものの、チームを勝たせることができなかった。

　この日は同じくトップチームで活動するFW鈴木颯人が不在。注目度が高く、結果も残している鈴木の分も活躍する意気込みだった。だが、紙一重の差で得点を奪えず、「決め切れなくて悔しいです」と唇を噛んだ。

　公立中学校の鳥取市立南中から、全国トップレベルの強豪・米子北へ進学。「トップでは堅守速攻でずっと走ること、すぐアプローチに行ったり、攻守の切り替えを学びました」。レベルの高い先輩たちとの練習によってできることが増加。その西尾は先輩以上のFWになることを目指している。

　米子北のエースFW福田秀人(3年)はU-17日本高校選抜の注目アタッカー。西尾は先輩の凄さについて、「ずっと走っていて体力が切れない。あれがヤバいです」と語る。目標は「先輩超えて、選手権でも活躍できるように」。そのためにピッチ内外から自分を高める考えだ。

「サッカーの面でも成長したいですし、凡事徹底、米子北らしいところも成長したいです。プロを目指して頑張っていきたい。(米子北で)日本一を獲りたいです」。この日は前線からのプレッシングも光ったが、先輩に比べるとまだまだ。今大会の悔しさも成長に繋げ、選手権での活躍を目指す。

(取材・文　吉田太郎)