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[NB CHAMPIONSHIP U-16]雨中の強豪対決。判断良く戦った市立船橋が米子北を2-0で下し、ブロック首位で決勝T進出!

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後半5分、市立船橋DF鶴岡寿咲(21番)が混戦から先制ゴール

[9.18 NB CHAMPIONSHIP U-16予選リーグ第3節 市立船橋高 2-0 米子北 時之栖裾野G]

 U-16(高校1年生)の強豪32チームが優勝を争う“全国大会級”のフェスティバル、「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」(静岡県御殿場市・裾野市)は18日午前、予選リーグ最終節を行い、16チームが決勝トーナメント進出を決めた。Dブロックの首位・市立船橋高(千葉)と3位・米子北高(鳥取)との一戦は、2-0で市立船橋が勝利。市立船橋はブロック首位で予選リーグ突破、一方の米子北は4位で敗退となった。

 自力での決勝トーナメント進出を決めるためには、市立船橋は引き分け以上、米子北は勝つしかない状況で迎えた強豪対決。朝からの大雨によってピッチは水が浮いている状況、試合開始後の強雨でさらに水溜りが増え、ボールが不規則に止まる難しいコンディションでの戦いとなった。

 前半5分、米子北MF樋渡連音が水溜りで止まった相手バックパスをインターセプト。ラストパスをMF落合翔覇が左足で狙う。対する市立船橋は10分、FW金子竜也がカットインから右足シュート。こぼれをMF渡部翔太が左足で狙うもポストに弾かれた。

 トーナメント進出のために先制したい米子北は、注目ストライカーのFW鈴木颯人が不在。その中で抜け出し鋭いFW西尾潤星が推進力を持って幾度もPAへ侵入し、またハイプレスの急先鋒にもなっていた。

 米子北は、コーチングと前への強さが特長のCB安田幸太郎と前日の好プレーで先発を勝ち取ったCB藤田航輔の両DFが中心となって最終ラインを支え、実力派右SB楠元紀のロングスローや樋渡のドリブルなども交えてゴールを目指す。

 だが、市立船橋は二瓶良太コーチが「(どのような状況になるか分からないので)中で判断して行こうと。徹底して選手がやってくれました」と頷いたように、雨中の戦い方を徹底する。DF片桐大貴を中心としたDF陣が後方から声を掛け続け、MF松本琉維とMF曽田敬信の両ボランチがセカンドボールを回収。松本のスペースへの浮き球パスからパワフルなFW金子が泥臭くゴールへ向かうなど、米子北DFにプレッシャーを掛ける。

 米子北は西尾が抜け出しからGKをかわすようなシーンが1度2度とあったが、シュートが水溜りでストップ。反応の速い市立船橋DFにかき出され、チャンスをモノにすることができない。

 迎えた後半、市立船橋がスコアを動かす。5分、連続CKからキッカーの渡部が左足でボールを蹴り込む。このこぼれ球をDF鶴岡寿咲が右足で押し込み、決勝トーナメント進出へ大きく前進した。

 米子北の梶貴博コーチは「(今年のチームはまだまだ)勝負弱いです。良いところまで行くけれど、最後セットで取られてしまう」と残念がる。逆に市立船橋は先制の3分後に追加点を奪う。MF藤田和がミドルレンジから右足シュートを叩き込み、2-0。また、松本が「自分たちの方が攻守の切り替えとか、真ん中のギャップのスペースとか埋められていたので、シュートを打たせることがなかった」と説明していたが、米子北との切り替え勝負、危険なゾーンを埋める部分でも市立船橋は勝って見せた。

 この後、市立船橋は金子の右足シュートがポストをヒット。米子北も決定機を作り出したが、MF猪俣脩人のコースを突いた左足シュートがGK原島康志郎に阻まれるなど最後まで1点を挙げることができなかった。

 市立船橋はU-16日本代表のMF峯野倖らが不在。Bチームの県リーグに出場するため、この日は3選手が離脱してフィールドプレーヤー12名という状況で大一番に臨んでいた。その中で二瓶コーチは「自分(のプレー)だけじゃなくて、もう1個、2個責任を負って欲しい」。人数も少ない中、「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」でより気を遣ってプレーできる選手が増えることを期待した。

 チームの目標は優勝だ。藤田は「やるからにはチーム全体で優勝を目指しています」と語り、松本も「今大会、絶対に優勝したいと思っているので、これていない人たちに良い報告ができるようにしたいです」と意気込んだ。市立船橋は決勝トーナメント1回戦でCブロック2位の興國高(大阪)と対戦。タフなトーナメントで多くの経験を積み、タイトルも勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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