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[MOM4121]前橋育英GK雨野颯真(2年)_“インハイだけじゃない”活躍。夏の日本一GKが完璧なPKストップ!

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後半17分、{c|前橋育英高}}GK雨野颯真(2年=FC杉野Jrユース出身)がPKをストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.23 高円宮杯プレミアリーグEAST第13節 市立船橋高 1-1 前橋育英高 グラスポ]

 チームを敗戦から救うビッグセーブだった。後半5分に追いついた前橋育英高(群馬)だが、同16分に混戦からPKを献上してしまう。市立船橋高(千葉)のキッカーはこの日1得点のエースFW郡司璃来(2年)だった。だが、前橋育英はドンピシャのタイミングで右へ跳躍したGK雨野颯真(2年=FC杉野Jrユース出身)が完璧なセーブ。名将・山田耕介監督も称賛するビッグプレーだった。

「今日は来ていなかったんですけれども、(コーチの)湯浅(英明)さんに『自分の思った方に思い切って跳べ』と言われていたんで、そこは自分が右と思って思い切り跳んだのがああいう結果になったので良かったです」。前半には相手の抜け出しへの対応が遅れて悔しい失点。その悔しさも晴らすPKストップだった。

「前半、ちょっと自分が不用意な出方をして失点して、というところもあって、前期のFC東京戦でPKで決められて逆転されたのもあったので。『絶対に止めてやろう』と思ったので、落ち着いて相手見て止められて良かったです」。

 この日、前橋育英はボールを保持して攻め続けながらも、雨と市立船橋の気迫溢れる戦いに苦しみ、1-1ドロー。だが、敗れていれば、勝ち点で市立船橋に並ばれていただけに「負けを引き分けに持ってこれたのは個人としてもですし、(残留へ向けて)チームとしても大きかったんじゃないかと思います」と胸を張った。水たまりでバウンドが変わるような難しいコンディションで状況に応じた守り。ビルドアップ含めて決して完璧ではなかったものの、落ち着いた動きとPKセーブでチームに貢献した。

 雨野はインターハイ決勝で相手選手との1対1を阻止するなど活躍。5試合1失点と優勝に大きく貢献した。「自分は2年ですが、2年だからと言って縮こまったプレーをするのではなくて、チームに貢献できるようなプレーをいっぱいできればと思いますし、インターハイだけじゃなくてシーズンを通して安定したプレーができれば良いと思います」。3年生はU-18日本代表のMF徳永涼主将をはじめ、タレント揃い。雨野は受け身になるのではなく、GK陣全員で高めあいながら身につけてきた力、公式戦で成長させてきた力をピッチで堂々と表現している。

 普段の練習から日本高校選抜MF根津元輝(3年)らタレントたちのシュートを受け続けてきたこともレベルアップの要因だ。彼らの「速い」シュートに鍛えられたストッピングやハイボール処理は自信を持つ武器。まだ2年生だが、好守を続ける雨野は選手権出場校でトップクラスの守護神だと言えるだろう。

 まずは来年自分たちがプレミアリーグで戦えるように残留を決めること。そして、選手権での活躍、勝利を目指す。その先に見据えているのは代表、プロ、ワールドカップ……。06年早生まれの雨野は来年開催されるU17アジアカップ、U-17ワールドカップへの出場資格を持つ。

「最初U-15に早生まれで入ってそこから選ばれていない。代表は守れるだけじゃなくてビルドアップとかそういうのを求められているので、課題はビルドアップなので、そういうところをもっと上手くなっていかないといけない。今はセーブだけなので、エデルソンとかああいうキックとかで一気に流れを変えられたり、そういうGKになりたいです」と力を込めた。プレミア、選手権、そして次のステージへ。夏の日本一GKが冬に新たな飛躍を遂げる。 


(取材・文 吉田太郎)
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