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先輩たちが繋いできたバトンを後輩たちへ 苦難を乗り越えた市立船橋がプレミアリーグ残留!

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市立船橋高がプレミアリーグ残留を決めた

[12.11 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 市立船橋高 2-0 愛媛U-18 エディオン]

 試合終了のホイッスルが鳴ると、選手たちは涙混じりの雄叫びを挙げた。夢が潰えて苦しかった1か月。だが、様々な人の想いを背負って戦い、先輩たちが繋いできたバトンを絶やさなかった。

 12月11日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023に参入する権利をかけた高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022 プレーオフ(広島)の2回戦が行われ、市立船橋高(EAST/千葉)が愛媛FC U-18(四国1/愛媛)を2-0で下してプレミアリーグ残留を決めた。

 この1か月間は色んな感情が渦巻いていた。高校サッカー選手権予選中にピッチ外の問題が明るみになり、11月12日に行なわれた日体大柏高と決勝は0-2で敗れて全国制覇の夢が途絶えた。しかし、その後のプレミアリーグEASTで3勝3分。自動降格圏を抜け出して10位、残留の可能性を残し、今回の参入プレーオフに駒を進めた。

「先輩たちが繋げてくれた最高峰の舞台。残留するしかない」(ゲームキャプテン・MF北川礁、3年)。

 強い決意を持って迎えた今季のラストマッチ。立ち上がりからアグレッシブに戦うと、開始4分にスコアが動かす。FW郡司璃来(2年)が相手の背後を突くと、GKとの1対1を制して先制点をもたらした。

 リードを奪ってもアグレッシブな姿勢を崩さず、愛媛U-18に対して手を緩めない。波多秀吾監督が「ボールを持たれるのは想定していた」と話す通り、相手にパスを回される展開となったが、強度の高い守備で相手を圧倒。球際の勝負を制し、素早く攻守を切り替えて攻撃に転じた。

 32分には右SB佐藤凛音(2年)の右クロスから混戦となり、相手オウンゴールで加点。リードを広げて前半を終えると、後半もボランチの北川やCB下田燦人(3年)を軸に守り、攻撃陣も郡司などが献身的にボールを追ってプレッシャーを掛けていく。MF行友翔哉(3年)らを封じ、終盤に入っても相手に決定機を作らせない。3点目は奪えなかったものの、最後までリードを守り切って歓喜の時を迎えた。

「色んな感情があったと思うけど、そこは表に出さずに選手が戦ってくれた」とは波多監督の言葉。試合後、取材対応を終えた指揮官がロッカールームに戻ると、選手たちは一気に盛り上がって監督の名を何度も叫んだ。苦しかった1か月を経て、最後の最後に迎えた最高の時。“市船”の再建はまだ道半ばだが、来年に繋がる戦いぶりでシーズンを締めくくった。

(取材・文 松尾祐希)
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