beacon

[横山杯]早生まれの強力左SBが再び存在感。市立船橋DF内川遼は同じ“ウッチーのように”上のステージへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

市立船橋高の左SB内川遼はこの日も左サイドで存在感

[12.27 横山杯決勝リーグ第1節 桐光学園高 1-1 市立船橋高 グリーン土合グラウンドB面]

 名門の中で存在感を高めている。市立船橋高(千葉)DF内川遼(2年=Wings U-15)はコンスタントに活躍を続けている左SBだ。桐光学園高(神奈川)との強豪対決では、前半終了間際に左クロスで先制アシスト。「クロスはあんま上手くなくて、今もあまり精度は高くない。でも、自主練でもいつもクロスをやっていて、そこで少し成果が出て得点に繋がって少し嬉しい」と微笑んだ。

 前日に行ったコーチングスタッフとの面談によって、自分の強みをどう活かすかを確認。この日は高い位置で余裕を持ってパスを繋ぎ、飛距離十分の左足からクロスやサイドチェンジを通してチャンスに繋げた。

 ロングスプリントのスピードはチーム屈指。前への推進力は魅力で、その縦突破はどの試合でも簡単には止まらない。波多秀吾監督は「キツい時間帯や、試合の終盤でもギアが入って行く」と彼のタフさについて説明する。

 ヘディングの高さも兼備。そのDFはプレミアリーグEASTで横浜FMユースMF松村晃助(3年、トップ昇格)に翻弄された経験から、夏の期間に1対1を徹底的に強化した。その結果、「対応が格段に良くなって、逆に自分の強みになったのでもっと伸ばしていきたい」。秋以降の試合では奪い切るシーンやインターセプトから一気に攻め上がるシーンも目立つ。

 右足のキックやパス精度など課題もあるが、U-16日本代表の左SB吉永夢希(神村学園高2年)や左SB藤井葉大(飯塚高2年)同様にポテンシャル十分の早生まれ左SBだ。本人は「市船のSBって伝統的に良い選手がいる。早生まれということも活かしながらそこ(代表)は狙っています」と力を込めた。

 憧れは同じ“ウッチー”だ。「(元日本代表右SBの)内田篤人選手です。同じ“ウッチー”というのと、日本代表とか入っているのを見ていて、今解説者をやっていてダゾーンの『内田篤人のフットボールタイム』を見ていて、よく考えていて、攻撃的なSBで、足も速くて、守備もできて、海外でやっていて、しかも格好良い(微笑)。本もたくさん買って読んでいます」。チームに笑いももたらすキャラクターの持ち主。目標とするSBと同じステージに立てるように、貪欲に自分を高めていく意気込みだ。

 来年度の目標は3冠。「(現2年生は)仲も良い代なので、全員で切磋琢磨して、3冠を狙っていきたいと思っている。特に自分、選手権の思い入れが強いので。一回も出ていないので出て全国優勝という思いが強いです」。期待の世代で台頭してきた左SBが成長を続けて、名門の復権に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●横山杯第23回全国ユース招待サッカー大会特設ページ

TOP