beacon

選手権でU-19代表候補FWと渡り合った1年生。浜松開誠館DF岩崎総汰はU-17高校選抜選考合宿で「まだまだ」から強み発揮へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF岩崎総汰(浜松開誠館高1年)は、残り2日間のU-17日本高校選抜選考合宿で強みを発揮する

[1.21 練習試合 U-17日本高校選抜候補 2-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 自分の力を発揮しないままでは、終われない。DF岩崎総汰(浜松開誠館高1年)は全国高校選手権で初戦敗退ながらも、評価されてU-17日本高校選抜候補選出。選考合宿2日目を終え、「まさか自分が選ばれると思っていなかったので、嬉しい気持ちと緊張の気持ちが混ざり合っている感じで。テレビで見ている選手たちできるのは、良い経験だと思っています」とコメントした。

 一方で口にしたのは、「まだまだだと思います」という言葉。本人も「大津の小林俊瑛選手とバチバチ戦ってここに来たと思っている」と自覚しているように、岩崎が評価を高めたのは選手権2回戦で大津高のU-19日本代表候補FW小林俊瑛主将(3年)を封じたことが理由だろう。その「バチバチ行く」ところがまだ出せていない、と自己分析する。

 2年生がほとんどのU-17高校選抜候補にまだ馴染むことができておらず、浜松開誠館の3バックと異なる4バックの感覚も掴みながらの2日間だ。この日の流通経済大戦は3本目の30分間プレー。アンラッキーな形で2失点したものの、ほぼ崩されることなく身体を張ってゴールを守っていた。

 残り2日間の選考合宿でアピールするために、「自分は球際に行くのは開誠館でも一番狙えるくらい自信を持っている。(小林選手相手に通用して)めちゃめちゃ自信になりました」という武器を全力で出すこと。また、CB塩川桜道(流通経済大柏高2年)のボールのつつき方など他の候補選手たちから学び、チームに持ち帰る。

 登録182cm、68kgの1年生ストッパーの将来の目標はプロ。高卒に加えて、明治大や法政大という強豪大学を経てプロ入りしている選手が多いことも浜松開誠館を進路に選んだ理由だ。来年ではなく、今年U-17日本高校選抜に食い込むことが将来の可能性を広げると考えている。

 その注目1年生は、浜松開誠館の青嶋文明監督(元清水FW)から「丁寧にプレーすること」を求められているという。「『丁寧にプレーしろ』と言われます。『球際のところは本当に良いから続けるべきだけど、その前に丁寧にやらないと良さが発揮できないから、キチッとやれ』と一生、言われています」。ストロングポイントのレベルアップとビルドアップの精度を改善して、1年生で強豪校の先発の座を獲得した。丁寧にプレーすることをこれからも常に意識し、先輩DF原田渉夢(3年)のように得点に繋がるパスを出せる選手になることも目指していく。

 23年は選手権予選での静岡連覇やインターハイ初出場、プレミアリーグ昇格に挑戦。浜松開誠館は過去2回の選手権でいずれも初戦で敗れているだけに、「そこの壁をまず超えていきたい」。これからの1年間でその目標を達成できる選手になること。そして、チームの将来のためにも、自身の将来のためにも、必ず新たな歴史を築く。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022

TOP