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「14」は「チームを勝たせる背番号」。神村学園は1年生FW名和田我空が九州決勝へ導く絶妙アシスト

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後半2分、神村学園高のU-16日本代表FW名和田我空(1年=神村学園中出身)は左サイドでボールを持つと、絶妙なラストパスで決勝点をアシスト

[2.20 九州高校新人大会準決勝 神村学園高 1-0 日章学園高 うるま市具志川多種目球技場A(天然芝)]

 神村学園高(鹿児島2)にとって「14」は、「チームを勝たせる背番号だと思う」。新生・神村学園で特別な番号を背負うU-16日本代表FW名和田我空(1年=神村学園中出身)が、決勝点をアシストした。

 3位に入った全国高校選手権では切り札として起用されたスーパー1年生。ドリブル突破や決定力が注目されるが、それ以上に狭い局面を攻略するパスやボールを失わない部分が印象的だった。

 この準決勝でもファーサイドにいたFW西丸道人主将(2年)の動きを見逃さず、精度の高いループパスでゴールを演出。「ドリブルっていう選択肢もあるんですけれども、勝つためにはチームを活かすことも大事だと思っている。空いたところにどれだけ自分が質の高いボールを出せるかも意識しています」という「14」が勝負を決める仕事をした。

 神村学園の「14」はMF橘田健人(現川崎F)やMF高橋大悟(現町田)ら名手が受け継いできた番号。前任の「14」はC大阪へ加入した世代屈指のレフティーMF大迫塁(3年)だ。名和田は高校進学前から注目されてきた存在で年代別日本代表の主軸。そのFWが、3年間「14」を背負った先輩MFの後継者となった。

 だが、初めての公式戦となった県新人戦で準優勝。「塁さんが14番の時は県大会で負けていなくて、自分が14番になった瞬間負けたので、それは悔しくて自分の力不足を実感しました」と悔しがる。

 だからこそ、「もっともっと自分が点取って、アシストをして、得点という形でチームに貢献したいです」と誓う。今大会は準々決勝までの4試合で計6得点。小学生時代から旧知の仲であるFW高岡伶颯(1年)との対決が注目された日章学園高戦では決勝アシストを記録した。

 今大会は圧倒的なパフォーマンスを続けてきた。だが、準決勝では相手の厳しいチェックの前に消されている時間も長かった。また、無得点に終わったこともあり、満足はしていない。「準決勝で点を取れなくて悔しい思いが少しはあるので、必ず決勝は得点、アシストを量産して自分らしい14番として活躍したい」と宣言。新たな「14」は結果にこだわり、まずは神村学園を九州王者へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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