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[MOM4217]神村学園FW西丸道人(2年)_「1本のチャンスを1ゴールに」。新たな「13」が決勝点

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後半2分、決勝点を決めた神村学園高FW西丸道人主将(2年=神村学園中出身)がチームメートとゴールを喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.20 九州高校新人大会準決勝 神村学園高 1-0 日章学園高 うるま市具志川多種目球技場A(天然芝)]

 非常に拮抗した展開となった九州大会準決勝。神村学園高(鹿児島2)の新エースが決定力で差をつけた。0-0の後半2分、神村学園は左中間でボールを持ったU-16日本代表FW名和田我空(1年)がファーサイドでマークを外したFW西丸道人主将(2年=神村学園中出身)の前方へボールを落とす。これを背番号13が左足ダイレクトで合わせて決勝点。両手を広げて走り出した「13」は、歓喜の中心となった。

 名和田のパスも見事だったが、合わせた西丸もまた見事。「後ろに助けてもらっていた分、一本決めてチャンスつかみ取りたいなと思っていたので良かった。難しい体勢だったし 、ボールだったんですけれども、あまりチャンスもなかったので『絶対に決める』という強い気持ちで」ゴールをこじ開けた。

 西丸は、全国3位に入った全国高校選手権の初戦・山梨学院高(山梨)戦でも同じような形でマークを外して劇的な決勝点。王者・青森山田高(青森)との準々決勝でスーパーゴールを決め、日本高校選抜候補に選出されるなど、選手権は飛躍の大会となった。

 そして、高校ナンバー1ストライカー、FW福田師王(3年)の「13」を受け継いで迎えている今大会。ここまで最多8得点を叩き出している。日本高校選抜候補に選ばれている責任感も持ってプレー。常に安定したパフォーマンスをすること、苦しい時にチームを救うことを心がけて戦うFWが、九州大会準決勝でチームを救った。

 目標はプロ入り。登録169cmと特別なサイズがあるFWではないが、有村圭一郎監督は1トップで起用している。「2トップはできるんで、1人でターゲットとしてもやれないといけない。サイズじゃトップじゃないだろうと思われがちですけれども、キープもできるし、(サイドではなく)トップしか無いと思う。1トップとしてどういうストライカーであるか。これからアイツが身につけていかないといけない」。点取り屋としての階段を登り続けている西丸は最近、ヘディングでの得点も増加。こぼれ球を詰めることや、抜け出しからのゴールなどより決定力を磨き、自分の力で評価を上げていくだけだ。

「抜け出しやシュートは凄く練習しているところでもある。やっていることが通用しているというところで、もっともっと極めていければもっと上に行けるかなと思います。5本やって5本取れる選手ではまだないので、どの形でも1本のチャンスを1ゴールにできるようにしていきたい」

 1年後の選手権準決勝、決勝で1本のチャンスで決め切り、神村学園に全国タイトルをもたらすことも目標の一つ。まずは九州大会優勝に集中する。決勝の対戦相手は、西丸不在の県決勝で敗れている鹿児島城西高。自分がいることで結果が変わることを示す。

(取材・文 吉田太郎)

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