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[新人戦]九州大会に「来ないと分からない」気づき。大分1位の柳ヶ浦は経験を持ち帰り、夏冬に勝負

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柳ヶ浦高の攻撃の中心、10番MF橋本琉唯主将

 柳ヶ浦高(大分)は、就任4年目の有門寿監督の下で5年ぶりとなる大分県高校新人戦制覇。九州高校新人大会(沖縄)を戦い、経験、「気づき」を大分へ持ち帰った。

「大分県内でやれていたことが、九州大会になると誤魔化せないなと感じましたね」と有門監督。対戦相手のCBは屈強で、攻撃陣も1本のチャンスを確実に決めてくる。柳ヶ浦は慶誠高(熊本)との初戦で攻め込む時間も多くありながら、突き放されて0-3。続く佐賀商高(佐賀)戦は後半にPKを獲得し、相手の退場によって数的優位に立ったが、逆に失点して0-1で敗れてしまった。

 そして、地元沖縄1位・那覇西高との予選リーグ最終節はFW安里耀(2年)を起点に、巧みな身のこなしでボールを運ぶエースMF橋本琉唯主将(2年)やMF中川喜之輔(2年)らがスピーディーなパスワーク。強靭な180cmCB外園優心(1年)が抜群の高さやキック力を見せていた。

 2点を先取されたものの、後半19分に安里のパスからMF池田琉生(2年)が今大会チーム初ゴール。勢いづいたチームは一気に同点を目指したが、PKを与えて1-3で敗れた。柳ヶ浦の2年生は北海道への修学旅行から、九州大会開幕前日に沖縄入り。「言い訳にしないよと。やれることをやろうと。でも、(切り替えることは難しく)心と身体が一致していなかったですね。まだやらないといけなかった」と有門監督は指摘する。

「今思うと、県大会の中でもしっかり振り返らないといけなかったことがあったと思います。無失点で勝ち上がったんですけれども、あそこはやられてたなとか。久々の優勝で勝って良かった、良かったになって。そこに目を向けきれなかったと思います」(有門監督)。

 それでも、ボールを大事にした攻撃的なサッカーにチャレンジ。3連敗で敗退となったが、指揮官は「本人たちが来ないと分からないというのがあったと思います。大分に残って練習試合をしていただけではここまで崩れることはなかったと思いますし、目を向けてやらないといけないことが出てこなかったと思います」と九州大会を経験できたことに前向きだ。個々ができたこともあり、1年生FW八尋馳ら、もっと力を発揮できそうな選手もいる。まずは九州大会で気づいたことを練習から落とし込み、夏冬の全国で勝負できるように個とチーム力を高める。

(取材・文 吉田太郎)

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