[3.5 静岡県ヤングフェスU-17男子の部 静岡県ユース選抜 0-4 U-17日本高校選抜 草薙陸]

「結果しかこだわってなかったので。もう一回代表に戻るために、それしか頭にないので結果にこだわっていました」。U-17日本高校選抜はFW山本吟侍(高川学園高2年)が1ゴール。昨夏、U-16日本代表候補に選ばれているストライカーは、“代表復帰”へアピールした。

　前半27分、山本は速攻からMF長準喜(昌平高2年)のスルーパスで左中間を抜け出す。そして、冷静に左足シュートを流し込んだ。「昨日、ああいうカウンターからの練習をやったので、いいイメージがあった。その練習通りに決められたと思います」。ゴールを決めて会心の表情。指文字のゴールパフォーマンスをし、チームメートと喜んだ。

　得点王を目指した全国高校選手権は3回戦敗退。PKによる1得点のみに終わった。ストライカーとしてのプレーができなかったことを悔しがる。「ドリブルとかした時にパスを選択してしまったり、ストライカーらしさが足りなかった」。だからこそ、このU-17日本高校選抜の活動ではよりゴールにこだわってプレー。2点目を奪うことはできなかったが、2トップを組んだFW西丸道人(神村学園高2年)とともにアグレッシブな攻守でゴールを目指し続けた。

　“高川らしさ”も発揮。「去年も、一昨年も、個人的には選手権では目立っている訳ではなかったので、こういう時に高川でやっていることだったりで違いを見せてやろうと思ってやっています」。前線でハードワークするところや守備で違いを表現。またこの日、U-17日本高校選抜はセットプレーで“トルメンタ”も披露した。

　トレーニングで「みんなが『高川がセットプレーいいじゃん。吟侍、何かない?』」と聞かれた山本は、世界からも注目された高川学園の“トルメンタ”の形だけ伝授。円陣を組んだ選手たちが手を繋いで回転し、相手を撹乱するセットプレーをU-17高校選抜流に実行した。高川学園が得意とするセットプレー。その面でも山本は“高川らしさ”を表現し、目立っていた。

　今回の活動が将来に結びつくと考えている。「結果を残さないと上にいけないので、FWとして点を取って勝たせることが一番大事なんですけれども、あとはもっと守備で貢献したり、ベースは守備からなので、ブラさずにやっていきたい」。代表、そして掲げている高卒でのプロ入りへ。「もっと自分を磨いてやっていきたい」と語るストライカーは次回のJヴィレッジカップまでよりコンディションを高めて、再びゴールを決める。

(取材・文　吉田太郎)