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神戸U-18が0-2からの3ゴールで東海大福岡に逆転勝ち。同点ヘッドの191cmCB山田海斗ら下級生も活躍

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後半31分、ヴィッセル神戸U-18は191cmCB山田海斗(右端)が同点ヘッド

[3.16 サニックス杯予選リーグ 神戸U-18 3-2 東海大福岡高 グローバルアリーナ]

 昨年のプレミアリーグWEST2位・ヴィッセル神戸U-18(兵庫)がサニックス杯国際ユースサッカー大会2023(福岡)予選リーグD第2節で地元・東海大福岡高と対戦。3-2で逆転勝ちした。

 神戸U-18は0-2の後半残り12分から3得点を奪い返して逆転勝ち。前日の東山高(京都)戦もPK戦で敗れたものの、後半アディショナルタイムに同点ゴールを奪っている。「昨日も何とか追いついて、今日ひっくり返せたことは、今後こういう状況になっても思い出せると思う」。もちろん失点しないことが重要だが、神戸U-18の安部雄大監督は前向きに捉えていた。

 ボールを保持しながら、意図的に前進させることは今年のテーマの一つ。だが、前半、神戸U-18はそボールを大事にし過ぎた面があり、バックパスが増えてしまう。また、東海大福岡は運動量豊富なFW中島慧(2年)らがハードワークを徹底。個々が運動量を増やしてボールを奪い取り、チャンスへ結びつけていた。

 神戸U-18はGK吉岡耕佑(1年)の好セーブなどで凌ぎ、チャンスも作り出していたものの、東海大福岡は中学2年時までGKだったというFW大森裕介(2年)が連続ゴールを挙げる。後半7分、連続攻撃から左足シュートをねじ込むと、14分にも相手のミスを逃さずにゴール。前半から怖さのある動きを見せていたFWの2発で東海大福岡が白星へ近づいた。

 また、東海大福岡はDF樋口雅人(2年)が際の強さを発揮するなど好守を連発していた。だが、神戸U-18は4枚替えなどで初戦の先発組を投入し、攻撃の質と迫力を向上。すると28分、MF濱崎健斗(中3)とスイッチしたFW有末翔太(2年)が右足シュートを打ち込む。このこぼれをFW渡辺隼斗(中3)が決めて1点差。さらに31分、MF藤本陸玖(中3)の右CKを191cmCB山田海斗(1年)がファーサイドから頭で叩いて同点に追いついた。

「守備面では自分がはっきりクリアできずに相手にピンチを与えて失点もした部分があって、攻撃で取り返そうという気持ちでCKに臨みました」と山田。前半からセットプレーで頭に当てきれずにいたが、「決める前、安部さんに『ボールをしっかり見ろ』と言われて、取れた感じです」。神戸U-18の勢いは止まらない。

 10番MF坂本翔偉(2年)や濱崎の配球などから攻める神戸U-18は後半38分、右SB阿江真嗣(2年)のクロスから最後はこぼれ球を有末が左足で叩き込んで3-2。U-18日本代表候補の注目DF本間ジャスティン(2年)が負傷離脱中だが、我慢強い戦いで白星を収めた。

 安部監督は「まず継続させたいものはチームがしっかりハードワークして、強度高く戦う。(昨年はその部分を出すことで)苦しい時にチームで踏ん張ってきたので、そこは継続していきたい」と求める。昨年は苦しい展開でも我慢強く戦い、プレミアリーグWESTで13試合連続不敗を記録。最終的に得失点差で劣ったものの、勝ち点は優勝した鳥栖U-18と同じ43だった。

 下級生が多いことで脆さもある一方、勢いも。高いレベルの試合を経験することでブレイクする選手が現れる可能性も十分にある。中学3年間で30cm身長が伸び、中学3年からCBを務める山田は、「(目標は)これからまずスタメンになり、自分の特長を活かし、課題を克服しながら良い選手になることです。自分はロングフィードだったりは自信がある。大きい選手は結構足元苦手な選手が多いけれど、自分はそこが特長。自信をつけ、他とは違うCBになりたいです」と誓った。兄のCB山田一景は昨年、主将として尚志高(福島)のプレミアリーグ昇格に貢献した実力派ストッパー。スケール大きな弟は高校2年目の今年、ポジションを勝ち取り、昨年のチームが果たせなかったタイトル獲得に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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