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[新人戦]初出場の広島国際学院が聖光に2-0勝利。中国大会初白星

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広島国際学院高が中国大会初白星

[3.17 中国高校新人大会1回戦 聖光高 0-2 広島国際学院高 揚倉山上段]

 第15回中国高等学校サッカー新人大会が17日に広島県内で開幕した。1回戦8試合が行われ、揚倉山健康運動公園(上段多目的広場)の第1試合で聖光高(山口)と広島国際学院高(広島)が激突。初出場の広島国際学院が2-0で勝ち、初白星を飾った。

 広島国際学院は20年の県新人戦で準優勝。中国大会初出場を決めていたが、同大会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止されていた。そのため、“2度目”の出場権を獲得した今回が中国新人大会初陣。瀬越徹監督(現総監督)最後の指揮となった昨年の選手権広島県予選でも初の決勝進出、準優勝と、台頭しているチームが谷崎元樹新監督の下で歴史を一つ塗り替えた。

 前半、広島国際学院はポゼッションからFW野見明輝(2年)のスピードを活用した攻撃やセットプレーでチャンス。15分には10番FW石川撞真(2年)が決定的なヘッドを打ち込むが、これは聖光GK小池來伯(2年)が好反応でストップする。

 広島国際学院は前半の飲水タイムで「彼らはよく話すので。『もうちょっと前に進もう、視線を上げよう』と話していました」(谷崎監督)。相手に慣れて攻撃のテンポを上げると30分、MF長谷川蒼矢(2年)のスルーパスから野見が決定機を迎える。だが、ここも聖光GK小池が立ちはだかる。逆に聖光は前半終了間際、MF藤廣晃瑠(2年)の左足FKがゴールを捉えるも、今度は広島国際学院GK片渕竣介(2年)がファインセーブ。0-0で前半を折り返した。

 聖光は「守れるし、ボールも出る、指示も出る。監督兼選手」(山本秀和監督)という大黒柱のCB渡根直哉主将(2年)ら主軸選手が怪我で不在。その中で守備範囲が広く、際も強いCB友弘青葉(2年、ゲーム主将)やGK小池が中心となって守り、190cmFW彌益陽向(2年)や右のドリブラーFW金丸大輝(2年)がゴールを目指した。

 だが、広島国際学院は、大黒柱のCB茂田颯平主将(2年)が的確な守りを続けるなど決定打を打たせない。そして後半8分、広島国際学院が先制点を奪う。右サイドで相手のミスを逃さずにボールを奪うと、野見が食いついてきたDFの股間を通す絶妙なファーストタッチ。入れ替わって独走した野見のグラウンダーパスを石川が1タッチでゴールへ沈めた。

「嗅覚には長けている」(谷崎監督)という10番のゴールで広島国際学院が先制。聖光は3枚替えで巻き返しを図る。だが、広島国際学院は17分、MF戸山晴人(2年)の浮き球パスから野見が見事なファーストタッチで抜け出す。最後は左足シュートをゴールへ流し込んで2-0とした。

 聖光は終盤、いずれも交代出場のMF西田唯斗(2年)とFW原田大叶(2年)を軸にゴールへ迫り、チャンスも作ったが、無得点で試合終了。山本監督は「公式戦に出たことのない子ばかり。いつもとは違う雰囲気を感じられたと思う」と経験を次に繋げることを期待していた。

 広島国際学院の谷崎監督は初の中国大会について、「本人たちにとってステップアップしていけたら良いかなと」という。そして、「出たいという思いがそれぞれ強いと思うんですよ。そこに対して自分が出るために何をしなければいけないのかと考えたりとか、もっとこういう力をつければ試合に出るチャンスが増えるんじゃないかとか気づけたら良い。なんでアイツは出たんだろうとか、(各選手が)向き合ってもらえる期間になれば良いと思います」と加えた。試合に“飢えている”選手ばかり。貴重な機会を個人、チームの成長に繋げる考えだ。

 選手権予選準優勝メンバーの茂田は、「国際学院として出るのは初だったので少し緊張はしたんですけれども、勝てたので良かったです」とまず1勝したことを喜ぶ。「今年は全国に行きたいです」と掲げる目標を実現するために、チームは中国地方トップクラスとの戦いから色々なことを学ぶ。準々決勝では今年、プレミアリーグへ昇格する米子北高(鳥取)と対戦。この日見つけた課題を改善し、優勝候補に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)

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