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絶妙なターン、パスを駆使したMF山崎勇誠が2得点を演出。前橋育英の「14」が今年も輝く

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前橋育英高にとって特別な番号「14」を背負うMF山崎勇誠(3年=クラブ与野出身)が2ゴールを演出

[4.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 前橋育英高 3-0 旭川実高 前橋育英高高崎G]

 伝統の「14」を背負う新シーズン。テンションは上がり、「やらなければならないという責任感」とともに、“チャンスだ”という思いも芽生えている。

 前橋育英高(群馬)のMF山崎勇誠(3年=クラブ与野出身)はこの日、プレミアリーグEASTホーム初戦で2ゴールを演出。前半13分、右中間でセカンドボール回収から前方のスペースへ好パスを通して先制点の起点となった。また、2-0の後半20分には左サイドからのパスを狭いスペースでコントロールし、中央へパスを繋ぐ。これをMF斎藤陽太(3年)が決め、リードを3点とした。

 山崎は後半30分、相手GKのファインセーブに阻まれたものの、右足コントロールショットを枠へ飛ばした。また、MF篠崎遥斗(3年)とのコンビネーションで決定機を演出。この日、山崎は中央、サイドでボールを引き出していたが、特に光っていたのが、ターンだ。

 DF間の狭い局面でも、幾度もターンして前を向いていた。ここからチームの攻撃はスピードアップ。絶妙なボールタッチ、身のこなしでターンしていた山崎だが、「本当は最近まで苦手で……」と明かす。

 篠崎の復帰とともに、ポジションが本職のボランチからシャドーの位置へ。これまでよりも時間も、スペースも無い中でプレーしなければならなくなった。そこで意識して取り組んだ一つが、ターン。「最近の練習の時にターンとか意識して結構やっている。ボランチの時と違って時間がないので、判断とか、ファーストタッチとか、あとゴールとかアシストへの意識は結構あります」。そのMFはこの日、新たな武器も駆使。最前線のFW佐藤耕太(2年)とともにボールの収まりどころとなり、ゴールも演出し、勝利に貢献した。

 前主将で高校年代を代表するボランチだったMF徳永涼(現筑波大)から、前橋育英にとって特別な番号「14」を受け継いだ。「去年、涼さん凄かったので、自分もやらないといけないかなという気持ちがあります。去年の涼さんは声がけとかプレーも上手いけれど、それ以外のところが凄かったので真似して成長したい」。自分が「14」をつけることには驚きもあったようだ。

「(昨年からの経験者である)篠崎遥斗がつけるのかなと。でも、(開幕前まで)怪我していて、『誰になるんだろうね』とみんなで話していました。(自分がつけることになり、)上がりもするし、『やらなければいけない』という責任感も。(一方でチャンスであることも)間違いないです」

 多くの人が注目する「14」に相応しい選手、活躍する選手へ。「まず、自分の課題を克服して、武器をもっと伸ばして、『14』に相応しい選手になっていきたい。全ての試合で勝利にこだわって、個人としてはもっとゴールとかアシスト、そして勝たせられる選手になりたいです」。左足の質やヘディングといった課題を改善し、武器を伸ばして今年も「14」が誰よりも輝く。

(取材・文 吉田太郎)
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