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[MOM4248]前橋育英MF斎藤陽太(3年)_開幕戦ベンチ外からより徹底した細部。目配り、気配りを大事にするMFが2G1A!

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後半20分、前橋育英高MF斎藤陽太(3年=アルビレックス新潟U-15出身、8番)がこの日2得点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 前橋育英高 3-0 旭川実高 前橋育英高高崎G]

 意識して目配り、気配りを続けてきたMFが、自身のリーグ戦初戦で主役となった。前橋育英高(群馬)のMF斎藤陽太(3年=アルビレックス新潟U-15出身)は、この日がリーグ戦初先発。「前節(開幕戦)自分、ベンチ外だったので、自分はもう後が無かった」というMFは、2得点1アシストと全3得点に絡む大活躍を見せた。

 斎藤は「まずはチームに貢献するために、切り替えの部分や守備の強度のところだったり、全力で行こうと決めていて、それプラス、自分は最近結果を残せていなかったので、何としてもきょう1点、2点、より多く取れるように結果を残したかった」。自分のパフォーマンスについては満足していない。だが、狙っていた結果でチームを今季初白星へ導いた。

 まずは前半13分、右サイドからのクロスでMF黒沢佑晟(2年)の先制点をアシスト。前半31分には、FW佐藤耕太(2年)のシュートのこぼれをゴールに押し込んだ。「『絶対に詰めてやろう』と思っていたらたまたまこぼれてきたので、良い形で打てたので良かったです」と斎藤。さらに山田耕介監督が「細かな、グッというテクニック。それを出していければ良い」と期待するMFは、後半にもゴールを破った。

 後半20分、MF山崎勇誠(3年)からのパスを中央右寄りの位置で受けると、DFのマークをわずかに外して右足シュート。「敵が来ていたのが見えていたので、コントロールでちょっと外して打つことができました。イメージ通りと言えばイメージ通りです」。ベンチ外のメンバーも見守ったホームゲーム。2度目のゴールで仲間たちを興奮させた。

「一週間掛けてやってやろうという気持ちは人一倍あったと思うし、それで残せた結果だったので、得点に関しては特に嬉しかったです」

 ベンチ外だった初戦からの一週間、もちろん必死に、トレーニングに取り組んできた。だが、より徹底できたのはピッチ外の部分なのだという。「ゴミ捨てとか、スパイク磨きをやったり、そういう些細な事を一週間掛けてやっていた」と振り返る。

 元々、ゴミ拾いやグラウンドのベンチの掃除は、心がけてきた。練習後、誰も見ていなくても実行。「お父さんに目配り、気配りと口酸っぱく言われていた。プレーでは(なかなか違いを)出せないので、そういうところからやって行こうと小さい頃から言われていた」。この一週間、小柄なMFはこれまで以上に細部まで取り組んできた。そして、システム変更もあって先発した一戦で2得点1アシスト。「(結果も出たので)この一週間だけと言わず、一年間掛けて小さいことをまず積み重ねて、最後選手権で大きな活躍をしようと思いました」と頷いた。

 まだまだ自分の特長である、縦に当てて、侵入して、相手をズラしてシュートの回数は少ない。チームメートとのコンビネーションを構築し、FWリオネル・メッシのプレーを見て、取り組んできた強みをより発揮すること。「まだ自分、足りなすぎるので自信は一つもつかないです」と語る斎藤は浮かれず、「ずっと目標にしていた3冠取るのもありますけれども、チームの中心選手になって、得点とか守備の些細なところでも『コイツは外せないな』みたいな選手になれるように、1日1日努力していきたい」。細部にこだわり続けて、目標に一歩一歩近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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