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昨年はプレミア22試合無得点。桐生一の10番MF小野剛史が待望のリーグ戦初ゴール

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後半26分、桐生一高MF小野剛史(3年=伊丹FC出身)が待望のリーグ戦初ゴール

[4.15 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第3節 矢板中央高 2-2 桐生一高 矢板中央東泉G]

 昨年はプレミアリーグEAST全22試合に出場したが、無得点。今年2月の群馬県新人戦決勝で待望のゴールを決めたものの、プリンスリーグ関東1部では開幕から無得点が続いていた。その桐生一高(群馬)MF小野剛史(3年=伊丹FC出身)が、ついにリーグ戦初ゴール。喜びを爆発させた。

 後半26分、左FKに反応して見事な一撃。「プレミア去年ずっと出ていて、今年も2節終わって1点も決めていなかったので、『今日は自分が点を取る』という気持ちで試合に入っていた」という10番のゴールをチームメートたちも大喜びしていた。

 昨年はリーグ無得点が続く中、「親に『オマエは決まるまで坊主ぐらいにしないと決まらないぞ』と言われて……」という檄もあって丸刈りに。結果、シーズン終了まで無得点で髪型は変わらなかった。今年は第2節の先制アシストで“保留”となっていたが、これで堂々と髪を伸ばすことができそうだ。

 その小野は、存在感のある90分間だった。昨年はプレミアリーグの「化け物と言ったらいけないですけれども凄い集団」の中で22試合プレー。降格して迎えたプリンスリーグ関東1部の戦いでは「去年の経験が活きているのかなと思います」。

 今年は昨年よりもポジションが上がり、シャドーの位置でプレー。「トラップと落としのパスだったりは凄くこだわってやっています」というように、正確なトラップ、1タッチパス、そしてドリブルでほとんどボールを失うことなくプレーしている。マークが集中する中でも余裕のある動き。絶妙なサイドチェンジで先制点の起点になったほか、意識高くゴールを目指し、味方の落としに走り込むシーンもあった。

 中村裕幸監督が「本当にアイツをピッチから外すと攻撃が機能不全になる。潤滑油的には彼はパーフェクト」と評するように、得意とするのはビルドアップや崩しの部分。「好きなチームがマンチェスター・シティというのもあって、本当にビルドアップと崩しのところ、あとドリブルのところは大好き。デ・ブライネ選手が一番好きで、所属しているシティは自分たちともサッカーが少し似ているというか、参考にさせてもらっている」と明かす。

 まだチャンスでシュートよりもドリブルを選択してしまうこともあるが、シュートを打って警戒させることでドリブルの効果も高める考え。10番の責任を背負う今年、もっともっと結果にこだわっていかなければならないという思いがある。

「結果を残し続けないと、10番という伝統の番号をしっかり受け継がせてもらっているので、意識して毎試合自分が点を取るんだという気持ちでプレーしてます」

 結果は自身の将来のためにも必要だ。「自分はあまり身長がデカくないので、勝ち残っていくためにはシュートの技術やシュートを打つ意識というのはもっと増やしていかないといけないなと自分では思っています」。今年はプレミアリーグ昇格にチャレンジ。また、宿敵の前橋育英高との戦いでゴールを決め、全国出場を果たして自身と桐生一の注目度を高める。

(取材・文 吉田太郎)
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