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[MOM4250]矢板中央DF梶谷皇光斗(3年)_歴代のCBの中でも「一番」の身体能力。執念の同点ヘッド

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後半44分、矢板中央高CB梶谷皇光斗(3年=FCファイターズ出身)が同点ゴールを喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.15 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第3節 矢板中央高 2-2 桐生一高 矢板中央東泉G]
 
「諦められなかったので。1節目と2節目もずっと負けていて、オレが決めないとチームも成り立たないなと思った」。矢板中央高(栃木)は0-2の後半32分に1点を返したが、開幕2連勝中の桐生一高(群馬)は簡単にチャンスを作らせてくれない。その中で背番号3のCB梶谷皇光斗(3年=FCファイターズ出身)が個の力でボールを奪い取り、そのまま左サイドや中央から一気に攻め上がって見せる。
 
 勝利への執念を感じさせるプレーの連続。そして44分、梶谷は左CKから劇的な同点ゴールを叩き出した。やや後方へ下がりながら、タイミングよく頭で合わせて歓喜の中心に。「最後は気持ちの部分だけと言われていたので、最後押し込めて良かった。セットプレーとか結構練習していたので。どこへ来ても合わせる対策はしていました」。試合を通してセットプレーや守備時の空中戦で勝ち続けていたCBが、矢板中央に勝ち点1をもたらした。

 この日、矢板中央の指揮を執った金子文三コーチが、「(堅守・矢板中央の柱を担うCBは毎年、力のある選手がいるが)矢板の今までのCBの中では身体能力は一番高いと思います」と認めるフィジカルキング。登録182cmのCBは50m走を6秒ジャストで走り、跳躍力もずば抜けている。
 
 真岡市立山前中(栃木)時代は、FCファイターズのトレーニングの合間を縫って陸上部の活動に参加。走り幅跳び競技の栃木県大会で優勝し、関東5位になった実績を持つほどだ。その跳躍力を活かしたヘッドには絶対の自信がある。加えて、筋トレにかける時間は連日1時間半。ベンチプレス95kgを上げるDFは「(ストロングは)フィジカル負けないところです。当たり負けはしたことないです」と言い切る。

 その梶谷は中学時代、FWでもプレーしていたというが、矢板中央ではコーチ陣の勧めでCBに一本化。「自分もCBが良いなと。ヘディングが勝つところとか、みんなが辛い時に自分が守るところもみんなが助かると思うので」。昨年から強豪・矢板中央で先発を獲得し、インターハイで初の8強に貢献した。

 公式戦でJクラブ内定選手と対峙し、「もっとやらないといけない」と努力を重ねてきたDFはこの日も対人守備、ヘディングの強さを発揮。同じく身体能力の高いCB庄司碧月(3年)とのコンビは大きな可能性を秘めている。

 体力的にキツい時間帯に切り替えが遅くなり、相手のカウンター攻撃に遅れを取るようなシーンもあると自己分析。昨年度の選手権予選敗退の悔しさも知る梶谷は課題を改善し、この日のようにどんな状況でも声を切らさず、チームを引っ張る存在になることを目指している。

 将来の目標はプロ。この日は桐生一高(群馬)のJクラブ注目DF中野力瑠(3年)との戦いを自身の活躍によってドローで終えた。「カバーリングの速さとか、ヴァランみたいと言われます。日本一のCBになりたいです」と誓うCBが、ライバルたちを上回るようなプレーを続けて目標に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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