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U-17代表帯同で自覚と存在感。西武台の2年生CB谷口輝はどんな状況でも「自分の成長を探しながら」戦い抜く

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西武台高のCB谷口輝(2年=Forza'02出身)は存在感ある動き。敗戦も必ず「成長」に繋げる

[5.20 高円宮杯プリンスリーグ関東2部第7節 西武台高 0-4 桐蔭学園高 西武台高第2G]

 開幕戦以来6試合ぶりの黒星は0-4の完敗。西武台高(埼玉)のCB谷口輝(2年=Forza'02出身)は悔しさを滲ませたが、守屋保監督はピッチ上での立ち振舞を評価していた。「負けている時にどういう姿勢が出ていくか」。4点ビハインドの状況で人一倍前向きな声がけ。味方が良くなるためのアドバイスを交えながら最後まで下を向くことなく戦い続けていたことは、指揮官の目にも「少しずつ良くなっている」と映ったようだ。

 2年生が先発の半数以上を占めるチームで、谷口は3年生以上とも言えるようなリーダーシップ。「(失点したりして)そこで自分が落ち込んでいたら勝てない。気持ちだけは落とさないで90分間ずっと戦っています」。後ろの選手が諦めずに、前の選手を後押しすることは大事。また、自分が上に行くために、どんな状況でも自分が成長を探さなければならないと考えている。

 谷口は今年3月、U-17日本代表のトレーニングパートナーとして国内合宿に帯同。Jクラブの公式戦デビューもしている同世代の逸材たちと同じ時間を過ごし、意識の違いを実感した。谷口はこの日も身体能力の高さを活かしてカバーリングの広さやヘディング、対人の強さを発揮するなど、目立つ動きで相手の攻撃を止め続けていた。だが、代表に行けば登録176cmの自分よりも5cm、10cm大きく、運動能力も兼備した選手たちがいる。

 だからこそ、強さや読み、カバーリング、声がけで代表の常連組を上回る力を身に着けなければならない。「きょうみたいな強いチームで勝てないから『あー』じゃなくて、自分の成長を探しながら1試合1試合やっていきたい」。その自覚が劣勢だったこの日の姿勢にも表れていた。

 自分のパフォーマンスが向上しているという感覚を持っている。「(自分のストロングは)この身長でも負けないヘディングだったり、一気にひっくり返せるキックだったり、チームのためにゴールカバーすること。最近は徐々に上がってきていて、ヘディングだったり、(今日はミスが増えたが)キックの精度は安定しつつあり、(今日も)自分の得意なカバーや対人はやられていない」。U-17代表合宿でもヘディングや局面局面での強さは通用したという手応えを持っている。

 それでも、代表チームの主軸候補であるCB土屋櫂大(川崎F U-18)らと比べるとまだまだだ。強引な守備でファウルを取ってもらえず、ピンチを招いたシーンも。また、自分だけが守れていても勝つことはできないことをこの日の敗戦で痛感した。逆サイドから攻略される回数が多かっただけに、声がけやよりカバーリングの意識を持つなど、自分ができることでよりサポート。加えて、チームのレベルアップも求めていく。

「(それぞれが)自分だけやっても勝てないときょうすごく身に染みて分かったので、一人ひとり練習から意識変えて、インハイ暑くて大変だと思うんですけれども、全員で出し切って勝ちたいと思っています」

 この後、プリンスリーグ関東2部は中断し、インターハイの埼玉県予選がスタート。全国舞台でアピールしたいという気持ちはもちろん持っているが、まずは目の前の一戦一戦に集中する考えだ。チームを声とプレーで引っ張り、自分とチームメートの100%の力が出せるようにベストの準備をする。

(取材・文 吉田太郎)
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