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興國はNBC in 堺ユースフェス準優勝。変化を前向きに捉え、個、チームで成長して「勝てる集団になりたい」

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興國高の左SB古瀬夢叶は期待のプレーヤーの一人

[7.25 NBC in 堺ユースフェス決勝 鹿島学園高 2-1 興國高 J-GREEN堺]

 変化を前向きに捉えて個を伸ばし、「勝つチームになる」。興國高(大阪)は同日に行われた準決勝から先発11人を入れ替えて「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2023)」決勝に挑戦。0-1で前半を終えると、後半開始からはフィールドの10人を交代して戦った。

 0-2の後半12分には、準決勝でも活躍した1年生MF水野凪斗が切り返しから右足シュートを決めて1点差。その後も水野や俊足FW上條恵大(3年)、MF古川大洋(3年)が個の力を発揮してゴールへ迫る。

 鹿島学園高の好守に阻まれなど同点に追いつくことはできず、準優勝。だが、奈良内定のMF國武勇斗(3年)や注目プレーヤーのFW宮原勇太(3年)、FW千葉大舞(3年)を欠く中で個人、チームが成長する大会となった。

 プリンスリーグ関西1部では立ち上がりの失点などが課題となっていたが、今大会では3試合を無失点で終えるなど改善できた部分もある。スピードと左足が魅力の左SB古瀬夢叶(3年)は、「このニューバランスカップでしっかりとチーム力を上げて行こうという中で予選とかも1位通過できて、チームとしても良かった」とコメント。水野や上條、Cチームから台頭してきたというFW東海林諒人(3年)らチャンスを得た選手たちの活躍も光った。

 興國は6月のインターハイ予選敗退後に、チームの礎を築いてきた内野智章前監督(現同校スーパーバイザー)から元徳島の六車拓也監督へ指揮官が交代。シーズン途中の監督交代となったが、選手たちは「(プロではシーズン中の監督交代もあるので)将来的に考えて、ポジティブに考えていけたら」と前向きに捉えている。

 OBの日本代表FW古橋亨梧(セルティック)のように、世界で活躍するフットボーラーの育成を目指す方針は変わらない。その上で勝利し、高校年代から大舞台を経験する選手を増やしていく。

 六車監督は「そういうふうにしていきたいし、彼らもそれを望んでいる」と語り、古瀬も「夏の(一つ一つのフェスティバルなどの)大会もそうですし、この先もプリンス(リーグ関西1部)とかもあるので、やっぱり勝てる集団になっていきたい。オン・ザ・ピッチもオフ・ザ・ピッチのところでも上げていって、勝てる集団になりたいなと思います」と力を込めた。

 興國の選手たちが備える技術力のレベルは高い。六車監督はその技術を何のために使うのかなど個人、チームの基準を示す。プロ、日本一を目指して入学してきた選手たちは成長と勝つことを貪欲だ。

 攻撃的な左SB古瀬は「自分はスピード任せなところがあって、賢くサッカーできていない。個人としてはもっともっと守備のところをもっと上げていきたいし、賢くプレーできる選手になっていかないといけない。(現時点ではまだまだだが、)興國で学んだことを活かしてプロになっていきたい」と誓った。

 そして、チームとしては「まだ今日のゲームでも勝ち切れていないので、0-2から3-2へひっくり返すようなチームにならないといけない。それ以外でも色々なところで『興國は良いチームやな』と言われるように頑張っていきたい」と宣言。6年連続でJリーガーを輩出する一方、未だ全国大会での勝利はない。これから良いチーム、勝つ集団になって新たな歴史を築く。


(取材・文 吉田太郎)

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