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NBCin堺ユースフェスは鹿島学園が優勝!7試合を勝ち抜き、「成長する大会」に

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鹿島学園高が「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2023)」優勝。参加32校の頂点に立った

[7.25 NBC in 堺ユースフェス決勝 鹿島学園高 2-1 興國高 J-GREEN堺]

 鹿島学園が“全国大会級”のフェスティバルを勝ち抜いた。25日午後、「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2023)」(J-GREEN堺)決勝が行われ、鹿島学園高(茨城)と興國高(大阪)が激突。鹿島学園が2-1で勝ち、参加32校の頂点に立った。

 プリンスリーグ関東1部に所属する鹿島学園は、怪我や大学への練習参加などで主力組の半数が不在だった。だが、鈴木雅人監督が、「普段出ていない子たちが成長する大会になりましたね。『オレも、オレも』という気持ちが出て遜色なかったですね」と評したように、チャンスを得た選手たちが奮闘。2度のPK戦を含め、7試合を勝ち抜いた。

 決勝は午前中に開催された準決勝から先発メンバーを大きくチェンジ。だが、前半を1-0で折り返した。プリンスリーグ関西1部の興國にボールを保持される時間も増えていたものの、鈴木監督が「プリンスやっているのが大きいです」と説明したように、東京Vユースや浦和ユース、鹿島ユースなどの強豪とリーグ戦で戦う鹿島学園は対応。MF大貫翼(3年)の鋭い奪い返しなどから、素早く攻撃へ持ち込んだ。

 そして、左SB井上真七斗(3年)のクロスなどでゴールへ迫ると、25分だ。左サイドを突いたMF川尻直紀(3年)の折り返しをMF山入端琉海(2年)が左足ダイレクトで右隅に決め、先制した。

 興國はともにプロ注目のMF宮原勇太(3年)とMF千葉大舞(3年)、そして奈良内定MF國武勇斗(3年)をJクラブへの練習参加などで欠く中で決勝進出。この6月から指揮を執る六車拓也監督が、「日常を大事にする」「競争というところをやってくれている」と語るように、日常の新たな競争でチャンスを掴んだ選手たちがモチベーション高く今大会に臨んでいた。

 こちらも準決勝から先発メンバーを大きくチェンジ。前半は22年U-16日本代表候補左SB久松大燿(2年)らが出場し、前半終了間際にはCB的場航人(3年)の決定的なヘッドや久松の左足ダイレクトボレーが相手ゴールを脅かした。後半開始からは準決勝の先発組を投入。厚みのある攻撃で同点を目指した。

 だが、鹿島学園が次の1点を奪う。後半6分、相手CBからのビルドアップを狙っていたFW根本大生(3年)がインターセプト。そして、すぐさま右足でロングシュートを打ち込んだ。高い位置取りをしていたGKは防ぎきれずにゴールイン。中体連出身アタッカーのファインゴールで2-0となった。

 興國は12分、MF高橋朋輝(3年)のスルーパスに1年生MF水野凪斗が反応。切り返しからの右足シュートをファーサイドのネットへ流し込み、1点差とした。興國は準決勝、決勝で躍動した1年生MF水野や俊足FW上條恵大(3年)、そしてCチームから台頭してきたという187cmFW東海林諒人(3年)とチャンスを得た選手たちや、左SB古瀬夢叶(3年)、右SB西岡隼平(3年)の強力DFたちが相手ゴールへ迫る。

 だが、鹿島学園はGK山下大空(3年)の好守などで踏ん張ると、その後、7人を同時に入れ替えて試合を締める。大貫やMF中西恵友(3年)といった小柄だが、運動量の多い選手たちが献身的な守備。また、CB高橋寛介(3年)、CB文平千陽(2年)、GK佐藤稜亮(2年)らも我慢強く守り続けた。興國は水野のミドルシュートが右ポストをヒットするなど2点目を奪うことができないまま試合終了。鹿島学園が競り勝ち、優勝を果たした。

 鹿島学園はインターハイ茨城県予選で敗退。宿敵・明秀日立高との準々決勝が初戦となり、PK戦で競り負けた。そこから切り替え、選手権予選4連覇、全国制覇を目指して再スタート。「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2023)」は優勝を目指して臨んだ大会だった。

 大貫は「自信にも繋がるし、デカいから優勝を目指そうと言っていて、興國は上手かったけれど、最後気持ちの面でも勝てたんじゃないかと思います。ルーキーリーグ(関東Bグループ)から大会で優勝とか自分たちの代は経験していなくて、みんな自信に繋がったと思う」と喜んだ。チームの強化において大きいというプリンスリーグ関東1部での残留も大目標の一つ。鈴木監督は「あれはなかなかシビアです。もう一つ鍛え上げて頑張りたいと思います」。今大会の優勝を自信に、より成長して秋冬の戦いに挑む。

(取材・文 吉田太郎)

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